今週は、最近気になる言葉についてとりあげます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法                 < 気になる言葉
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                            「募金する」

読者のかたから次の質問をいただきました。

<読者からの質問>————————————————

最近頻繁に使われている「募金」という言葉の使い方について
質問があります。

元来、「お金を募る」ということですから、
これは集める側の行為を言うのですね。
でも、日常的には、お金を寄付することを「募金する」というように
使っています。

この言い方は、やっぱり本来は間違いなのでしょうか?
(読者 M.Oさん)
——————————————————————

「募金」とは、寄付金などを募って集めること。
M.Oさんの質問にある通り、「お金を募る」行為を「募金」と言います。
募る側が「募金を行う」「募金のお願い」と使うのは、言葉の意味からも
自然なことです。

一方、募金者に協力する場合は「寄付」という言葉を使います。
「寄付」とは、公共事業や社寺などに金品を贈ること。
災害時に被災者や被災地にお金を贈る場合も「募金をする」のではなく
「寄付をする」と書くのが適切な使い方といえます。

例えば、「被災地に募金する」よりも「被災地に支援金を寄付する」
という表現が言葉の意味に即しています。

ただ、募金の呼び掛けが数多く行われている今、「寄付する」と「募金する」
の意味合いが混同されたまま使われているのが現状です。

結果的に、募金を行う機関や団体に、善意のお金が集まればよいわけで、
ここで厳密に言葉の正誤を述べるつもりはありませんが、
言葉の意味と違いは知っておいてよいと思います。

ちなみに「募金を募る」というのは意味の重複になるので、
「寄付を募る」「支援金を募る」と言い換えます。

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今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします。
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 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法       < 読者からの質問(5)
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                         尋ねる時の表現

 <読者からの質問>————————————————

  相手に何かを依頼する場合の言い方として、
  この2通りを目にします。

  ●~していただけませんでしょうか。

  ●~していただけますでしょうか。

  私は後者を使うのですが、前者も特に問題ないのでしょうか。

  この場合の、「ません」は否定の意味ではないと思いますが、
  どうも回りくどいような言い方に感じられます。

  ご意見お伺いできれば幸いです。
                          (読者 T.Tさん)
 ——————————————————————

 私もT.Tさん同様、後者を意識して使うようにしています。

 どちらも表現的には問題はないのですが
 相手に与える印象が、
 「~していただけますでしょうか」の方が良いからです。

 尋ねる時に「~ません(か)」という否定的な表現が入ると
 相手から「~できません」という回答を導いてしまいやすくなります。

 「~ます(か)」と尋ねる方が
 回答する側からも「~します」という返答を得やすいです。

 これは、自分が尋ねられる側になると実感します。
 ですから、自分から相手に尋ねるとき
 「~していただけますか」
 「~していただけますでしょうか」
 を使うようにしようと意識が行くようになります。

 否定表現で問わず、肯定に言いかえるという点で
 これもひとつの
 ポジティブ・ライティングと言えそうですね。

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今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします。
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仕 事 の メ ー ル 作 法       < 読者からの質問(4)>
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社内メールの最初の挨拶

<読者からの質問>————————————————

私は取引先や顧客にはメールでも口頭でも「お世話になっております」、
社内向けメールでは目上、目下に関係なく「お世話様です」
で始めるように使い分けています。

以前どこかで読んだのですが、「お世話様です」は身内に対して使う
言葉で、外部の方に使うのは失礼にあたるとあったからです。
たしかに取引先の方から言われると気になります。

さて、「お世話様です」が社内でも目上に対して失礼にあたるとすると、
社内でやりとりするメールで適切な言葉は他に何かありますか?

「お世話になっております」…社内で使うには違和感があります。
「お疲れ様です」…疲れてもないのにこう言われるのには抵抗があり、
個人的に好きな言い回しではありません。

お教えいただければ幸甚です。よろしくお願いいたします。

(読者 T.Nさん)
——————————————————————

社内のやりとりであれば、あいさつなしで
いきなり用件に入ってよいと思います。
社内メールの場合は用件優先と考えるからです。

それに抵抗がある場合は
「取り急ぎ、用件のみお知らせします」
とひと言添えるとよいかもしれません。

または、相手との共通体験、共通認識事項をあいさつ代わりに
「昨日はお疲れさまでした」
「先日の研修では、お世話になりました」
「○○についてのアドバイス、ありがとうございました」
のようなひと言を添えるパターンも私はよく使います。

ひと言添えるかどうかは
相手との距離感というか、親密度にもよると思います。

懇意な上司であれば、上記のようなひとことがあれば和みますし
それほど懇意でない相手であれば
「取り急ぎ、用件のみお知らせします」と切り出す方が
効率的に事が運ぶのではないでしょうか。

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今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします。
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  仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法          < 読者からの質問(3)
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                           「ご担当者様」

<読者からの質問>————————————————

短い単語のことなのですが、時々、「○○株式会社 経理ご担当者様」
または「▲▲株式会社 ご担当者様」などといった
相手先の方の名前を特定せずにメールを送ることがあります。

名前を確認する必要があるときは電話などで聞いてから送る場合も
あるのですが、先方があえて名前を特定せずにメールをしてほしい
と依頼されているときは名前を入れません。

この場合、「ご担当者様」という書き方は問題ないのでしょうか?
二重敬語のようで、少し丁寧すぎるような気がしているのですが
いかがでしょうか?
また、他に表現方法があれば教えてください。
(読者 Y.Tさん)
——————————————————————

先方があえて名前を特定せずにメールをしてほしい、ということでしたら、
「ご担当者様」という書き方は問題ありません。

通常、担当者名が分からない場合
「○○株式会社 経理部(課)御中」
「▲▲株式会社 御中」
といった書き方もありますが

名前が分からなくても、相手とすでにやり取りしているならば
社名の後に「ご担当者様」を添えると感じがいいですね。

「ご担当者様」という表記自体は二重敬語には相当しません。

ですが、
「▲▲株式会社御中 ご担当者様」と表記すると
敬称の「御中」と「様」が重なるので
「▲▲株式会社 ご担当者様」とします。

「ご担当者様各位」という書き方は誤りなので注意を。
「様」も「各位」も敬称なので
使うなら、どちらか一つにしましょう。

 
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今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします。
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仕 事 Begin の メ ー ル 作 法          < 読者からの質問(2)
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                         「社長のおかげ」?

<読者からの質問>————————————————

メール文の言い回しで一つ質問があります。

(中略)

以下がそのメールとほぼ同じ文面ですが、
これは一般社員が全社員に向けて送信したメールの文中にあったもので、
社長を補佐した社員が一緒に作ったシステムを見て思った
ことを書いたものです。

「社長のお陰でいい物が出来上がった」

この文面を見て、私は社長に失礼だと思いました。
神垣さまはどう感じられたでしょうか?

これが、
「社員のお陰でいい物が出来上がった」
「XX君のお陰でいい物が出来上がった」
の様に社長から発信されたものならいいと思んですが。

(中略)
ちょっと立場が違うのではと思いました。

このように、社員からの感謝の意を込めるような事を伝えたい
場合、どの様な文面がよいでしょうか?
(読者 K.Kさん)
——————————————————————

「おかげで」は、他から受けた力添えや恩恵への感謝の意を示す言葉です。
古くは、神仏などの偉大なものの「陰」でその恩恵や助けを受ける
という意味合いでも使われていました。

ですから、上司や目上の相手に「~のおかげで」と使うこと自体は
間違いではありません。

ただ、目上の相手には「おかげ」に「さま」を付けて
「おかげさまで」とする方がより丁寧な言い回しになります。

この場合は

社長にお力添えいただき、おかげさまで、よい物ができあがりました

よい物ができあがったのも、ひとえに社長のお力添えのおかげと感謝しております

と少し言葉を添えるとよいのではないでしょうか。

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                          災害後のメール文

<読者からの質問>————————————————

未曾有の大震災により、日常を取り戻すのは
まだまだ時間がかかりそうです。

こんなときに要望など、大変心苦しいのですが
こんなときだからこそ、お願いしたくご連絡いたしました。

被災地の方々、またこの震災により大きな被害を受けた会社の方々
多少影響のある地域の方々、あまり影響のなかった地域の方々、
いろいろいらっしゃいますが、

ビジネスのメールとしてどのような
挨拶が今ふさわしいのか、大変迷います。

時間も経ってまいりました。しかしこれだけの災害です。
「時下ますます~お喜び、、、」などという文章で
はじまって良いのかすら迷います。

ぜひ、いくつかの例をあげて
決まり切った言葉ではなく、さりげない配慮のある文章を
教えていただけないでしょうか。
(読者 I.Oさん)
——————————————————————

この場合、相手の状況を知ることが、大事だと思います。
被災が分かっている場合と、相手の状況が分からない場合とでは、
かける言葉も違ってきます。

被災状況が分かっている場合は、「お見舞い」と「援助の申し出」を。

(文例)
このたびの震災による被災に際し
心からお見舞いを申し上げます。

私どもでお役にたつことがございましたら、
遠慮なくお申しつけください。
———————
1行目を「報道で御社の被害を知り」「○○様から御社の被災の知らせを受け」
と、被災を知った経過を書くこともできます。

相手へのお見舞いの気持ちを伝える場合は
「お見舞い申しあげます」という件名で
上記の全文を送信しますが

通常の用件の前に、ひと言お見舞いの文を添える
という方法もあります。

結びの一文として「一日も早い復旧をお祈りしています」という表現もありますが
援助や支援の申し出の方が、現実的だと私は思います。

相手の被災状況が不明な場合は…

(文例)
連日の報道で、御社への
震災の被害(影響)を心配しています。

差し支えなければ、
状況だけでも教えていただけますか。
——————–

余談ですが…

朝日新聞の4月1日に掲載のコラム「経済気象台」の一文に
東北工場のある筆者の会社に
震災のあった翌日、見舞いの電話や生活必需品の輸送の申し出がある一方

「納入品の問い合わせだけの企業も。
工場被害はなくても、従業員の家は倒壊、なかには行方不明の家族も抱える。
なのに見舞いの言葉すらなく、自分の都合を優先する」

とあり、考えさせられました。

もう一つ。
フリーランスのサステナビリティー活動家、
丹羽順子(にわ・じゅんこ)さんの3月26日のツイッターにあったつぶやき
をご紹介します。
他人事じゃなく、相手に寄り添う気持ちを伝えることが
大切なのではないでしょうか。

被災者にかけないほうが良い言葉の例
「色々あったけど命が助かったから良かったじゃない」
「早く元気になって」
「頑張って」
「早く忘れて前向きに生きよう」
今後、被災地に入る人の数も増えるだろう。
手伝いたいという気持ちを伝えよう。

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