今週は、ちょっとした言い回しの工夫をご紹介します。
◆─────────────────────────────────◆
 仕 事 の メ ー ル 作 法           < 好印象を与える表現(2)
◆─────────────────────────────────◆
                       「ご存じでしょうか?」

上司に対して
「○○について知ってますか?」
という尋ね方をもっと丁寧にするには?

「○○の件を知っておられますか?」
「○○の件をお知りになっていますか?」
はどうでしょうか?

一見、丁寧な言葉遣いのように感じますが、
「知る」の尊敬語は

記事全文を読む

◆─────────────────────────────────◆
   仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法          < 読者からの質問(2)
◆─────────────────────────────────◆
                   「ご無理申しあげます」の「ご」

<読者の質問>—————————————————-

「ご無理申しあげますが」はビジネスのやりとりでよくよく耳にする
言葉です。

が、無理を言っているのは自分なので、
この場合は、「ご」をつけずに「無理を申しあげますが」のほうが
適切ではないかと思っているのですが、いかがでしょうか?

逆に、相手が無理を言う場面なら「ご無理をおっしゃらないでください」
など。

常々「ご」の必要性について迷っていましたので、正しい使い方を
ご存じでしたら是非教えていただけないでしょうか。

読者 はて? さん
——————————————————————

「ご」の使い方についてですが、
「ご無理申しあげますが」の場合、自分が相手に対して「無理を言う、無
理をさせる」状況を指します。

このように自分の行為が向かう先の相手にかかる場合、無理を言う相手を
たてる(敬う)ために尊敬の「ご」を使います。

「ご相談があります」も同様です。
相談は自分からするものですが、それを受ける相手がいて成り立つもので
す。ですから、相談という行為が向かう先の相手を立てて「ご相談」とし
ているわけです。

一方、「勝手を申しあげます」は「勝手を言う」のはあくまで自分であり、
相手を立てるものではないので「勝手」の前に「ご」は付きません。

相手が無理を言ってくる場合は、「無理を言う」相手の行為をたてるため
に尊敬の「ご」を付け、
「ご無理をおっしゃらないでください」とします。

「ご質問をいただき、ありがとうございます」
「ご相談の内容についてですが…」
なども同様に、相手からの「質問」「相談」という行為に対して敬意を表
すために「ご」を付けます。

敬語の「ご」の使い方については、
『さらりと返せる、大人のメール表現334』
Q74「ご質問」「ご依頼」は正しい?
でも詳しく取り上げています。
よろしかったら、ご覧になってみてください。

<追記>
 考え方として
「無理」と「言う」を切り離して捉えると
「無理を申しあげます」として問題ないと思います。

「ご無理申しあげます」は
「無理なことを言って申し訳ありません」という意味合いで
 ひとまとまりの言葉として捉えるとよいのではないでしょうか。

 
ビジネスメールを書くときに役立つ最新の記事が無料で読めます。

メルマガ詳細

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら
このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】

◆─────────────────────────────────◆
【しごび】の お 知 ら せ
◆─────────────────────────────────◆

「日経ビジネスアソシエ」2010年12月7日号から
連載「即効! スキルアップ講座」がスタート!

・ボスマネジメント
・iPad仕事術
・メール作法
の3つのテーマをそれぞれ6回連載でお届けします。

神垣は「メール作法」のパートを担当。
第1回連載のタイトルは「社内向けと社外向けを明確に区別」です。

興味のあるかた、ぜひ、ご一読ください!

特集:新・整理術
日経ビジネス Associe (アソシエ) 2010年 12/7号

記事全文を読む

今週は、直接的な表現を避けた表現方法についてです。
◆─────────────────────────────────◆
仕 事 の メ ー ル 作 法   < 婉曲に伝える(3)
◆─────────────────────────────────◆
「~してください」のいい換え

今週は、スマートに相手に伝えるときの言い回しについて取り上げています。

お願いごとをするとき、「~してください」とメールに書くと命令調の強
い印象を与えます。

「15時までに、返信してください」

上記の文例をもう少し婉曲に表現してみましょう。
4つのパターンを挙げてみました。

1)依頼形にする
「15時までに、ご返信をお願いします」

2)問いかける
「15時までに、ご返信いただけませんか」

1)の「お願いします」がビジネスメールでは無難な表現。
2)の問いかけるパターンは、場合によっては婉曲すぎて回りくどい印象
を与えることになるので、使い方には注意を。

3)希望を伝える
「15時までに、ご返信いただけると幸いです」

4)心情を伝える
「15時までに、ご返信いただけるとうれしいです」

3)に「幸いです」は、4)の「うれしいです」よりも改まった印象を与え
るので、ビジネスメールによく使われます。
4)の「うれしいです」はややくだけた表現なので相手を選びますが、親
しみのこもった言い回しです。

<追記>2021.04.09
2)問いかけるパターンは
「ご返信いただけませんか」のほかに
「ご返信いただけますか」もあります。

「~いただけませんか」は回りくどくなるので
自分では、この「~いただけますか」という言い回しを
使うことが多いです。

場合によっては「~してください」を使う必要もあります。
例えば、何度連絡しても対応してくれない相手には、
婉曲な言い回しより
「~してください」とはっきり伝える方が伝わります。
少なくとも私はそういう使い分けをしています。

ビジネスメールを書くときに役立つ最新の記事が無料で読めます。

メルマガ詳細

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら

「仕事のメールの基本を知りたい、でも、誰も教えてくれない。今さら聞けない」という人のためのメールマガジン。
毎週金曜日 配信!
【仕事のメール心得帖】有料版
 登録はこちらから

このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】

記事全文を読む

今週は、敬語の使い方についてです。
◆─────────────────────────────────◆
仕 事 の メ ー ル 作 法   < 敬語に注意(5)
◆─────────────────────────────────◆
「お」と「ご」

間違いやすい敬語、敬語の勘違いについて今週はご紹介してきました。

「お客様には、ご不快なお気持ちにさせてご迷惑をおかけしてしまい、
心よりお詫び申しあげます」

上記の一文は、申し訳ないという気持ちは分かるのですが、「お」「ご」
が多すぎると思いませんか?

書き手は「より丁寧に」と思い、言葉に気を遣うのですが、読む側からす
ると「そこまでしなくても…」という丁寧さに辟易することがあります。

「お」「ご」を省きつつ、文章を整理してみましょう。

上記の文例は、一文にお詫びを詰め込みすぎています。そのうえ、多くの
言葉に「お」「ご」を付けているので、慇懃無礼な印象を与える一文になっ
ているのです。

そこで、文を二つに分けます。
次のように、迷惑をかけた事柄があり、それを詫びるという流れにすると
自然です。

「○○の件では、ご迷惑をおかけしました。
お客様を不快な気持ちにさせてしまい、心よりお詫び申しあげます。」

一文に丁寧語は一つか二つに留め、もっともポイントとなる言葉を丁寧
に表現すると、すっきりとするうえ、伝わる文章になります。

ビジネスメールを書くときに役立つ最新の記事が無料で読めます。

メルマガ詳細

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら

「仕事のメールの基本を知りたい、でも、誰も教えてくれない。今さら聞けない」という人のためのメールマガジン。
毎週金曜日 配信!
【仕事のメール心得帖】有料版
 登録はこちらから

このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】

記事全文を読む

今週は、敬語の使い方についてです。
◆─────────────────────────────────◆
仕 事 の メ ー ル 作 法           < 敬語に注意(4)
◆─────────────────────────────────◆
「参られますか」

間違いやすい敬語、敬語の勘違いについて今週はご紹介しています。

「広島へは新幹線で参られますか?」

上記も謙譲語の誤用の一例です。
相手に対して、自分が「来る」「行く」という行為をへりくだって表現す
るときに使う謙譲語が「参る」です。

上記の文例は、自分の行為ではなく、相手の行為なので、謙譲語の「参る」
ではなく尊敬語の「いらっしゃる」を使います。
したがって、書きかえると…

「広島へは新幹線でいらっしゃいますか(いらっしゃるのですか)?」

「社長は先週、本社へ参られました」

上記も「行く」の謙譲語「参る」の誤った使い方です。この場合も、謙譲語
「参る」ではなく尊敬語の「おいでになる」が適切な表現。

「社長は先週、本社へおいでになりました」

とします。「おいでになる」のほかに「いらしゃる」「お越しになる」も
「行く」の尊敬語です。

ビジネスメールを書くときに役立つ最新の記事が無料で読めます。

メルマガ詳細
◆─────────────────────────────────◆
【しごび】 の お す す め
◆─────────────────────────────────◆

電子版もあります!
******************************************************************
4冊目の著書『さらりと返せる、大人のメール表現334』好評発売中!
******************************************************************

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら

「仕事のメールの基本を知りたい、でも、誰も教えてくれない。今さら聞けない」という人のためのメールマガジン。
毎週金曜日 配信!
【仕事のメール心得帖】有料版
 登録はこちらから

このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】

記事全文を読む

今週は、敬語の使い方についてです。
◆─────────────────────────────────◆
 仕 事 の メ ー ル 作 法            < 敬語に注意(3)>
◆─────────────────────────────────◆
                      「いただかせていただく」

間違いやすい敬語、敬語の勘違いについて今週はご紹介しています。

「○○をお送りいただき、ありがとうございます。
 おいしくいただかせていただきました」

上記は、「食べる」の謙譲語「いただく」に、謙譲語「~させていただく」
が重ねて使われることで、過剰な敬語表現になっている例です。

頻繁に使われている「~させていただく」ですが、本来、相手から恩恵や
許可を得て何かを行う時、相手へのへりくだった気持ちを表す謙譲語が
「~させていただく」です。

この場合、「食べる」の謙譲語「いただく」が相手に対してへりくだった
表現なので、それ以上、謙譲語を添える必要はありません。

「いただきます」だけでよく、「~させていただく」は不要。したがって、
下記のように書きかえます。

「○○をお送りいただき、ありがとうございます。
 おいしくいただきました

謙譲語に「~させていただきます」を重ねて使っている例としては

「ご著書を拝見(読)させていただきました」
「私見を申し上げさせていただきます」
「4時までに参らせていただきます」

などがあります。

いずれも、謙譲語は一つでよく

「ご著書を拝見(読)しました
「私見を申し上げます
「4時までに参ります

とすれば、すっきりします。

 
ビジネスメールを書くときに役立つ最新の記事が無料で読めます。

メルマガ詳細


メルマガ詳細

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら

このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】
記事全文を読む