今週は、読者の方からいただいた質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法  < 読者からの質問(2)
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 「ご理解のほど」

先日配信した

について、質問をいただきました。

<読者からの質問>————————————————

何卒ご理解いただきますようお願い申しあげます。

ですが、

何卒ご理解のほど、お願い申し上げます。

という言い方をよく使っていますが、
これは「ご理解のほど」と「お願い申し上げます」は
つながっていますでしょうか?

何卒ご理解のほど、お願い申し上げます。
何卒ご検討のほど、お願い申し上げます。
何卒ご協力のほど、お願い申し上げます。

など、「~のほどお願い申し上げます」という言い方を
よく使うのですが、「~のほど」ってなんだろう?と
ときどき思っていました。

何卒ご理解をお願い申しあげます。

これだと、あまりに強い(「ご理解」を強いている)感じがして、
それをやわらげるために「~のほど」を挟んでいます。

(読者 M.Sさん)
——————————————————————

VOL.2239 では、
「何卒ご理解いただきたくお願い申しあげます」
という文は、「ご理解いただきたく」と「お願い申しあげます」は
文としてつながっていないので

「ご理解いただきたく」の後に
何を「お願い」したいのかを述べるため

・何卒ご理解いただきますようお願い申しあげます。

という文例を挙げて説明しました。

それに対して

・何卒ご理解のほど、お願い申しあげます。

と「~のほど」を使うのはどうか? という質問です。

「~のほど」は、断定を避け、表現をやわらげるときに用いられます。

M.Sさんが書いておられるとおり
「何卒ご理解をお願い申しあげます」
という表現は、相手に理解を強要するような印象があるため
「~のほど」を使うことで、文意が和らぐ効果があります。

したがって、

何卒ご理解のほど、お願い申しあげます

という一文は、読点の前後で
意味の繋がっていますし、
お願いごとをする時の婉曲な言い回しとしてお勧めです。

「~のほど」は便利な言い回しなので
「お願いいたします」とセットで使うことが多いのですが

わたしは、どちらかというと
強くお願いすることで相手に理解を得たいというケースが多く
「ご理解のほど」よりも「ご理解いただきたく」を
使うことが多いです。

依頼内容により、表現のメリハリをつけるためにも
使い分けるといいかもしれません。

別の読者の方から、言い換え例として

末筆ながら上記の件、よろしくお願い申しあげます。

という表現はいかがですか? というメールをいただきました。

「何卒」を使うと、時に大げさに感じられることがあります。
表現のバリエーションとして、覚えておきたいですね。

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今週は、読者の方からいただいた質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法  < 読者からの質問
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英文字の会社名

<読者からの質問>————————————————

会社名が英文字のお取引先にメールする場合は
社名を半角文字にした方がよいでしょうか?
(S.Yさん)
——————————————————————

英数字を入力するとき
半角にするか全角にするかは
人それぞれであったり、社内で統一ルールがあったりすることでしょう。

半角、全角どちらがよいということはなく
メール文でどちらかに統一されていればよいと
考えます。

わたし自身は、英文字も数字も半角で入力することにしています。
理由は、スペースをとらないから。

「A」と入力するのと「A」と入力するのとでは
1行の長さが違ってくるため
見た目に短くてすむ半角文字で統一することにしています
(ただ、メルマガで日時などを強調したいときは
敢えて全角表記にすることはあります)。

先方から先にメールが届いた場合は
表記も先方に合わせればよいと思います。

正式名は英文字表記でも
便宜上、メールではカタカナ表記という会社もあるので
そのような場合も先方に倣えばよいのではないでしょうか。

余談ですが……
名刺の住所、氏名などが英文字表記のみのケースがありますが
見た目はかっこよく見えても
実用的でないなぁと思います。

漢字の表記の仕方が分からないし
ひと目で認識しにくいからです。
名刺をもらっても印象に残りにくい気がします。

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今週は、気になる敬語表現について取り上げます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法              < 敬語レッスン(4)
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                      「なさっていらっしゃる」

今週は、気になる敬語表現について取り上げています。

「剣道をなさっていらっしゃるのですか?」

上記の一文で、気になるのが
「なさっていらっしゃる」
という言い回しです。

相手に尋ねたいのは
「剣道をしていますか?」
ということです。

「剣道をしている」の「している」は
動詞「する」に付く、状態を表す補助動詞。

補助動詞「~ている」の尊敬語は
「~いらっしゃる」です。

ですから、
「剣道をしている」の尊敬語は
「剣道をしていらっしゃる」となり

その疑問形は
「剣道をしていらっしゃいますか?」
あるいは
「剣道をしていらっしゃるのですか?」
です。

または
元の文を「剣道をする」と捉えれば
動詞「する」の尊敬語は、「なさる」なので
「剣道をなさる」。

その疑問形は
「剣道をなさいますか?」。

この場合、剣道を現在、しているかどうかを尋ねる文なので
「剣道をなさっていますか?」。
という書き方もできます。

したがって、
「剣道をなさっていらっしゃるのですか?」
は「なさる」か「いらしゃる」のどちらかを使えばよく
このままでは過剰な敬語となってしまいます。

・剣道をしていらっしゃいますか

・剣道をしていらっしゃるのですか

・剣道をなさっていますか

このいずれかを使うのが適切と考えます。

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今週は、気になる敬語表現について取り上げます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法  < 敬語レッスン(3)
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「設立申し上げました」

今週は、気になる敬語表現について取り上げています。

「本年7月に一般社団法人を設立申し上げました事をお知らせ申し上げます

上記の一文は、過剰に敬語が使われている例です。
「申し上げる」が二度も使われていますね。

「申し上げる」は
「言う」の謙譲語として用いられるほかに

動詞の連用形や動作性のある名詞の下に付いて
動作の対象への敬意を表すときにも
使われます。

上記の例がまさにそうで
「設立」という名詞
「知らせる」という動詞の後に付いて
敬意を示す表現になっています。

ただ、このように
同じ表現を重ねて使うのはくどいので、
スッキリ書き換えてみましょう。

・本年7月に一般社団法人を設立したことをお知らせいたします

ここでは文の流れから
「申し上げます」を「いたします」
に書き換えました。

「設立した」は「設立しました」としてもよいでしょう。

・本年7月に一般社団法人を設立いたしました

と、もっと短くしても文意は伝わります。

相手に失礼のない表現を使うことは大切ですが
敬語をたくさん使えば、敬意をが伝わるわけではありません。

必要最低限の敬語を効果的に使うようにしたいですね。

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今週は、気になる敬語表現について取り上げます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法              < 敬語レッスン(2)
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                      「なさっておられました」

今週は、気になる敬語表現について取り上げています。

「先代は、当店をよくご利用なさっておられました

上記の一文で気になるのは、
「ご利用なさっておられました」
という言い回しです。

もとの言葉は
「利用する」なので
それを尊敬語で表すと
「ご利用になる」
「利用される」
です。

上記の文例の場合
「利用していた」
と過去形になるため

「ご利用になっていました」
「利用されていました」
とすればよいのですが

「~している」を
「して」と「いる」に分けて

「して」→「なさって」
「いる」→「おられる」
それぞれ尊敬語に変換し
「~なさっておられる」と
しているため、まどろっこしい表現になっています。

したがって、次のようにするとスッキリします。

・先代は、当店をよくご利用になっていました

・先代は、当店をよく利用されていました

過去形の文章を敬語で表現するとき
上記のように
「なさっておられました」
と余分な敬語を付け加えてしまいがちです。

元の意味と照らし合わせて
最小限の敬語を効果的に使いたいですね。

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『さらりと返せる、大人のメール表現334』

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仕 事 の メ ー ル 作 法               < 敬語レッスン
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お願い申しあげます

「何卒ご理解いただきたくお願い申しあげます

上記は、一見、問題ないように思える文末の一文です。

「お願い申しあげます」は定番の文末表現ですが
上記の一文では
「何を」お願いしたいのかが不明です。

前に「何卒ご理解いただきたく」とありますが
これは、後に続く「お願い申しあげます」とはつながりません。

次のように書きかえてみましょう。

・何卒ご理解をお願い申しあげます

「理解」を「お願い」するという一文にすると
スッキリ短くなります。あるいは、少々長くなりますが

・何卒ご理解いただきますようお願い申しあげます。

という書き方もあります。

・何卒ご理解いただき、ご協力をお願い申しあげます

上記は、理解してもらったうえで、「協力」を「お願い」する
という文章に改めています。

「お願い申しあげます」「お願いいたします」は
文末に使うと、収まりの良い定番フレーズですが
それだけで終わらせず

「何を」お願いすいるのかを明らかにすると
具体的に「伝わる」文章になります。

今週は、「これでいいの?」」と思われる
気になる敬語表現を取り上げていこうと思います。

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