今週は、気になる敬語表現についてです。
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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法              < 変な敬語
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                           「ご来場して」

相手に失礼がないよう、丁寧な表現を意識するほど
結果的に過剰になっていたり、使い方を間違えてしまっていたり
しがちなのが敬語です。

今週は、そんな「?」な敬語の使い方をとりあげていきたいと思います。

ご来場していただいた皆様、誠にありがとうございました」

一見、問題なく見える一文ですが、実はよくある敬語の間違い。
謙譲語の「ご~する」と尊敬語の「ご~いただく」が混在している例です。

「ご~する」は謙譲語なので、
本来、自分がへりくだることで相手を高める敬語表現。

上記のように「ご来場して…」と
相手の動作に使ってしまうと、相手を低めることになります。
この場合は「ご来場」の後にくる「して」は不要。

尊敬語「ご~いただく」のみを使えばよく
「ご来場いただいた」とするのが適切です。従って

ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました」

と表記するのが敬語の正しい使い方です。

同様の例として
「ご確認していただけますか」

ご確認いただけますか

「お待ちしていただけますか」

お待ちいただけますか

いずれも「して」は不要です。

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今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします。
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仕 事 の メ ー ル 作 法    < 読者からの質問(3)
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敬語の使い方

VOL.1530 < おかしな敬語(4)>

でとりあげた文例の書きかえについて、いただいたメールです。

<読者からの質問>————————————————

今日のおかしな敬語

「Webサイトをご覧の方、すでにご署名いただいた方は、
   お知り合いにも協力の依頼をお願いいただけませんか?」

では如何?
読者 K.H さん
——————————————————————

「おかしな敬語」が使われている文例として挙げたのがこちら。

(例文)
× Webサイトを見られました方、
     すでに署名してくださった方がいましたら、
      知人の方にもご協力いただけるよう頼んでいただけたら、と思います。

対して、神垣が書き換えた文例がこちら。

○ Webサイトをご覧になった方、
       すでに署名してくださった方はぜひ、、
        お知り合いにもご協力をお願いいただけたら、と思います。

そして、K.H さんからいただいたのが、初めに挙げた文例です。

「ご覧になった方」 → 「ご覧の方」
「署名してくださった方はぜひ」 → 「すでにご署名いただいた方は」
「ご協力をお願いいただけたら、と思います」 → 「協力の依頼をお願いいただけませんか?」

こうして比較すると
K.H さんお文例の方がずっとすっきりしていますね。

ポイントは後半の一文。
「お知り合いにも協力の依頼をお願いいただけませんか?」

「お知り合い」に続いて敬語が使われているのは
文末の「お願いいただけませんか?」のみです。

「ご協力のご依頼」と、余計な敬語は使わず
締めの動詞だけを敬語でしているので
すっきりスマートな一文になっています。

一文に使う敬語は1つか2つ、という好例です。

いやはや、自分で書き変えておきながら、お恥ずかしい限りですが
K.H さんは、折に触れて「こうしたら如何?」と
適切な指摘をしてくださり、感謝しています。

【しごび】読者の中では、おそらく最高齢の読者さんです。
美しい日本語の使い方をメールを通じて教えていただいています。

 
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【しごび】 の お す す め
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今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします。
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仕 事 の メ ー ル 作 法          < 読者からの質問(2)
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 「いただきますよう」

昨日の質問に関連して、
次の質問をいただいたのでご紹介します。

<読者からの質問>———————————————————-

私が取引先宛にメールで問い合わせする際によく
次のような言い回しを使います。

「○○(商品名)のお取り扱いはございますか?
ございましたらお見積りをいただきますようお願い申し上げます。」

多分文法的には間違っていないだろうと自分では思っているものの、
どうもしっくりきません。

「○○の在庫はありますか? あれば・・・。」
ではますます不しつけだと思いますので、適切な言い回しがあれば
教えていただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
読者 T.N さん
————————————————————————————-

「お見積りをいただきますようお願い申し上げます」の言い回しは
「いただきますよう」以外の言葉でも言い換えられそうですね。

「ございましたら」が十分丁寧な表現なので、その後に続く文は
もう少しさらっと表現してもよいと思います。

例えば
1)「お見積もりをお願いいたします」
2)「お見積もりをお願いできますか」
3)「お見積もりをご送付(お送り)いただけますか」
4)「お見積もりをお願いできればと存じます」

1)で差し支えないと考えますが、、
2)3)のように「問いかける」言い回しにすると婉曲になります。
4)になると、改まりすぎるかもしれません。

丁寧に表現しようとするほど、敬語を追加してしまいがちです。
でも、その前に「相手に何を伝えたいのか」を
今一度確認してみると、表現はもっとシンプルになるはず。

「○○(商品名)のお取り扱いはございますか?
 ございましたら、お見積もりをお願いいたします」

として、通常のやりとりは問題ないでしょう。

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今週は、相手の心をつかむ言い回しの工夫についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法                   < 添えるとよいひと言(5)
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                                                                                       「いつまでに」

依頼や誘いを受けたとき、
常に「イエス」と返答できるわけではありません。

ですが、「ノー」と即答するだけの適当な理由が見つからない。
そのようなときは焦って返事をせず

「いつまでにご返事すればよろしいでしょうか?」
と、期日を確認します。

早まって即答し、後悔するより
断るにせよ、引き受けるにせよ、考える時間を少しだけ確保して
きちんと返答すれば、ストレスも軽減できます。

▼ 「いつまでか」こちらから確認も
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「これ、お願い」と仕事の依頼や指示を受けた時も
「いつまでに提出すればよろしいですか?」
と期限を確認しておきます。

「提出」に当たる部分には、状況により「対応」「仕上げ」などに
言いかえるとよいでしょう。

相手から期日の指定がない場合は
「17時までに提出すればよろしいですか?」
と、想定される提出期限を提示し、確認をとります。

このとき「今週中に」「来週早々に」というあいまいな設定にせず
「いつ」「何時」までにとはっきりさせておくと、
後々のトラブルを避けることにもなります。

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【しごび】 の お 知 ら せ(その弐)
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中国新聞 読者のかたへ

明日、6月11日(土)の
中国新聞夕刊の「でるた」というコーナーに
神垣の随想が掲載される予定です。

父のこと、書きました。

ぜひ、読んでみてください。

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今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします。
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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法            < 読者からの質問(4)>
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「寒中見舞い」の後

<読者からの質問>————————————————

「寒中お見舞い申し上げます」という一文がありますよね。
メールでもたまに使うのですが、
「寒中」というのは、いつまで使える言葉なんでしょうか??
2月いっぱいは通用するんですかね?
(読者 K.Kさん)
——————————————————————

寒中見舞いの「寒中」は、寒の入りから寒明けまでの約30日間を指します。

では、寒の入り、寒明けはいつのことかと言いますと、寒の入りは二十四
節気の「小寒」のことで、寒明けとは「立春」の前日(詰まり、節分の日)
のことです。

ですから、「寒中見舞い」のやりとりは、「小寒」から「立春」までに
行うのが適切です。

ちなみに、2010年の寒の入りは1月6日で、寒明けは2月3日、立春は2月4日
でした。

暦の上で寒が明けても、まだまだ寒いものです。そこで、「寒中」のあと
は「余寒」という言葉を使います。

「余寒見舞い」という表現は、「立春」を過ぎてから使いますが、いつま
でという期限は特にないようです。あくまで、残る寒さを見舞う心遣いが
「余寒見舞い」なので、春らしく暖かくなれば、自然と使わなくなる表現
なのでしょう。

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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法          < 読者からの質問(2)
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                     「お世話さまでございます」

<読者からの質問>————————————————

「お世話になっております」ですが、
「お世話さまでございます」という表現はあり、でしょうか。
または「お世話さまです」。

以前、「お世話になっております」は誤った使い方だと聞いたのですが、
よく使われてますよね~

書き言葉、話し言葉の違いや
それが使われている環境(例えば『職場環境』など)も
あるのかもしれませんが・・・

教えていただければ嬉しいです。
(読者 A.Oさん)
——————————————————————

「お世話さまでございます」を分解してみましょう。

「お世話さま」は、人が自分のために力を尽くしてくれたことに
対して、お礼の気持ちをこめて言う語。
挨拶の言葉として用いられることが多いです。

「お世話さま」の「さま」は、
名詞や形容動詞の語幹に「お」「ご(御)」を冠したものに付いて、
「~なこと」の意を丁寧に言い表します。「お世話さま」のほかに、
「お疲れさま」「ご苦労さま」などの用例があります。

ニュアンスとしては「お世話なことですね」「お疲れなことですね」
「ご苦労なことですね」と相手を気遣う言い回しといえるでしょう。

ですから
自分から仕事を頼んだ相手や自分に対して何かしてくれた人、
例えば、自社に出入りしている業者さんから荷物を受け取るときに
口頭で「お世話さまです」と使うのに適しています。

一方、
「ございます」は、「ある」の丁寧な言い方。存在を表す使い方の
ほかに、「お暑うございます」「お久しぶりでございます」のよう
に形容詞・名詞の後ろに付く補助的な用法があります。

「お世話さまでございます」も名詞の「お世話さま」に補助的に
「ございます」を付けた丁寧な言い方といえるでしょう。
ただ、「お世話さま」自体が丁寧な言葉なので、「ございます」を
付けると、さらに丁寧な言葉となります。

したがって、客先に対しては
「お世話になります」や「お世話になっております」とする方が、
言葉の意味合いからも適している、と考えます。

整理すると、相手との関係性で使い分けるなら
発注者から受注者には「お世話さまです」
受注者から発注者には「お世話になります」
          「お世話になっております」
でしょうか。

「お世話さまでございます」は丁寧な表現ではありますが、
どのような対象に向けて使うのが最適なのか、私には分かりません。
また、A.Oさんの質問にある「『お世話になっております』が誤った
使い方」という理由もよく分かりません。


「お世話に~」の書き出しについては、拙著でも触れています。
「さらりと返せる、大人のメール表現334」 
 28ページをご参照ください。

(VOL.1436 2011年2月8日 配信分を2022年1月20日回答部分を改訂)

 
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【しごび】の お 知 ら せ
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「日経ビジネスアソシエ」2011年2月15日号
「即効! スキルアップ講座」の連載、5回目です。

今回のメール作法のテーマは・・・
「『ポジティブ・ライティング』で好印象を残す」です。

「悪いクセ」の断ち切り方 日経ビジネス Associe (アソシエ) 2011年 2/15号 [雑誌]
日経BP社(2011-02-01)
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