今週は、慣用句の誤用についてです。
◆─────────────────────────────────◆
仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法       < 間違いやすい慣用句(2)
◆─────────────────────────────────◆
その他の誤用

昨日に引き続き、文化庁発表の2006年度「国語に関する世論調査」から、
慣用句などの誤用の実態調査にあった事例を紹介します。

次の例文に使われている慣用句の意味、あなたはどちらだと思いますか?

1)「その人は気が置けない人ですね。」の「気が置けない」
A)相手に気配りや遠慮をしなくてよいこと
B)相手に気配りや遠慮をしなくてはならないこと

2)「彼はやおら立ち上がった」の「やおら」
A)急に、いきなり
B)ゆっくりと

本来の意味は

1)気が置けない = A)相手に気配りや遠慮をしなくてよいこと

2)やおら = B)ゆっくりと

です。

調査の結果では、
「気が置けない」は48.2%の人が反対の意味のほうを(本来の意味で捉え
ていた人は 42.4%)、
「やおら」の意味も43.7%の人が反対のほうの意味(本来の意味で捉えて
いた人は 40.5%)で理解していたという数値が出ており、取り違えてい
た人がいずれの場合も若干多くなっています。

▼ 知っておいていい“本来の意味”
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
昨日、今日と例に挙げた慣用句は、日常生活、特にメールなどの書き言葉
で使うことは、実際のところあまりありません。

言葉は生き物、時代とともに意味や解釈も変わっていくという意見もあり
ますが、“本来の意味”は知っておいて損はないとも思います。

私自身もそうでしたが、意味を取り違えて使っていても、
「あれ? 本当はこういう意味なのか」と気づくきっかけがあれば、
言葉を見直し、意味を改めて調べることで語彙を増やすことができるので
はないでしょうか。言葉ってそうやって蓄積していくものように思います。

※参考 文化庁 平成18年度「国語に関する世論調査」の結果について
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/yoronchousa/h18/kekka.html

記事全文を読む

ビジネスメールを書くときのコツを7000人以上が愛読。
2005年から配信してい る無料メールマガジン
【仕事のメール心得帖】登録はこちらから

今週は、慣用句の誤用についてです。
◆─────────────────────────────────◆
仕 事 の メ ー ル 作 法            < 間違いやすい慣用句
◆─────────────────────────────────◆
                            誤用の実態

9月7日に文化庁から発表された2006年度「国語に関する世論調査」。
8日の新聞各紙で報道されていたので、目にしたかたも多いのではないで
しょうか。

今回の調査では、慣用句などの誤用の実態調査も報じられていました。
私も誤って使っていた慣用句があり、軽くショックを受けました。
その慣用句とは…

「役不足」「流れに掉さす」「ぞっとしない」の三つです。

次の例文に使われている慣用句の意味、あなたはどちらだと思いますか?

1)「彼には役不足の仕事だ」
A)本人の力量に対して役目が重すぎること
B)本人の力量に対して役目が軽すぎること

2)「その発言は流れに棹さすものだ」
A)傾向に逆らって,勢いを失わせる行為をすること
B)傾向に乗って、勢いを増す行為をすること

3)「今の映画は、余りぞっとしないものだった」
A)面白くない
B)恐ろしくない

▼ 感覚で捉えず調べて意味を知る
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
正しい使い方は

1)役不足 = B)本人の力量に対して役目が軽すぎること
2)流れに棹さす = B)傾向に乗って、勢いを増す行為をすること
3)ぞっとしない = A)面白くない

上記の三つの慣用句の意味を、私は完全に取り違えていました。

謙遜したつもりで「今回のご依頼は、私には役不足です」と発言し、
「流れに掉さすようなことはしないほうがいいでしょう」と止めに入り
「ぞっとしない」にいたっては「ぞっとする」の反対語と思い込んでいま
した。あ~恥ずかしい!

今週は、このように意味を取り違えやすい慣用句について取り上げてみた
いと思います。

※参考 文化庁 平成18年度「国語に関する世論調査」の結果について

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら
このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】
記事全文を読む
ビジネスメールを書くときに役立つ最新の記事が無料で読めます。

ビジネスメールを書くときのコツを7000人以上が愛読。
2005年から配信してい る無料メールマガジン
【仕事のメール心得帖】登録はこちらから

今週は、読者のかたから寄せられた質問にお答えします
◆─────────────────────────────────◆
仕 事 の メ ー ル 作 法             < 読者からの質問(4)
◆─────────────────────────────────◆
「またの再会」

<読者からの質問>————————————————

先日十数年ぶりに知人(一緒に仕事をした人)に会うことができました。

一緒に食事をして別れた翌日、お礼のメールの中で締めくくりの文章と
して「またの再会を楽しみにしています」と書いたのですが、送信した
あとこれって「新しい新年」と同じように同じ言葉を繰り返す重ね言葉
かなと感じました。

言葉としては、よく使うと思いますが、「またの」と「再会」が同じ意
味と考えると「またの再会を楽しみにしています」という使い方は間違っ
ているような気がします。
(本当に間違っているのかは分からないのですが...)

しゃべっているときは、なんとも思わない事が文字にすると「あれっ変
だな」と思うことがあります。

【しごび】さんは、こんな経験は無いですか...
(読者・亜麻乃 時夜句さん)

——————————————————————

「またの再会」。
重ね言葉(重言)に相当するかどうか、私が調べた限りでは分かりません
でした。ですが、意味を考えると「また」と「再」が重複しているように
思います。

この場合は「では、またお会いしましょう」「再会できることを楽しみに
しています」と書き換えられそうですね。

このように意味が重複する言葉でよく目にし、私自身も気をつけているのが
「~感を感じる(た)」という表現です。

「危機感を感じる」「違和感を感じた」と「感」を続けて書いてしまいが
ちですが、「危機感を抱く」「違和感を覚えた」と書くのが適切でしょう。

「かねてから」「従来から」「本来から」というのも重複した表現になり
ます。うっかり使ってしまいがちですが、「かねて」「従来」「本来」と
いう言葉の中にすでに「~から」という意味が含まれています。

「かねてお約束していた」「従来、当社では」「本来の言葉の意味は」と
「から」をつけずに使います。

そのほか、使ってしまいがちな重複する表現としては、次のようなものが
挙げられます。

あらかじめ予約しておく  ⇒ 予約しておく
まず最初に、一番最初に  ⇒ 最初に、最後に、まず初めに、一番先に
各位殿、各位様、~様各位 ⇒「各位」自体が敬意を表すので敬称は不要

必ず必要になる   ⇒ 必要になる
期待して待っている ⇒ 期待しています、心待ちにしています
新しく新調した   ⇒ 新しく購入した、新調しました

挙げればきりがありませんが、話し言葉では気づかなくても文字にすると
気がつくことが多いですね。

「仕事のメールの基本を知りたい、でも、誰も教えてくれない。今さら聞けない」という人のためのメールマガジン。
毎週金曜日 配信!
【仕事のメール心得帖】有料版
 登録はこちらから

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら

このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】

記事全文を読む
今週は、漢字と平仮名の使い分けについてです。
◆─────────────────────────────────◆
仕 事 の メ ー ル 作 法         < 漢字か平仮名か(4)
◆─────────────────────────────────◆
うっかり変換

実質的な意味をなさない言葉、例えば「という」「こと」「ため」などは、
うっかり漢字で書いてしまいがちです。
文字を入力する際、漢字に変換されやすいので、ついそのまま使ってしま
うことも。

そんな言葉の代表格が「という」と「こと」です。

▼と言う事です ⇒ ということです

「という」も「こと」も実質的な意味をなさない場合は平仮名で書きます。

実際に言葉を発したり、述べる場合は「言う」と漢字表記ですが、
「いざというときに」「~といえる」「経験がものをいう」などは平仮名。

「考え事」「悩み事」「出来事」のように具体的な事柄を表す場合は
漢字書きですが、
「そんなこととは知らずに」「見ることができる」「ことによると」
は平仮名。

「こういうことだったのですね」「絶対にそういうことはありません」
のように両者を合わせた場合も平仮名で書きます。

▼どの位 ⇒ どのくらい

「くらい(ぐらい)」は、「同じくらい」「中ぐらい」「十歳ぐらい」の
ように助詞として使う場合は平仮名。
「気位が高い」のように助詞以外で使う場合は、漢字で書きます。

そのほか、下記のような言葉も平仮名書きが適切です。

その為      ⇒ そのため
話して有る・在る ⇒ 話してある
聞いて居る    ⇒ 聞いている
確認して置く   ⇒ 確認しておく
見落とし勝ち   ⇒ 見落としがち

7冊目の著書「仕事で差がつく言葉の選び方」刊行。
ビジネスに使える大和言葉を紹介しています。

2005年創刊! ビジネスメールを書くときに役立つ無料メールマガジン配信中
「まぐまぐ大賞 2017」ジャンル別賞の知識・ノウハウ部門で5位に入賞しました!

気持ちよく楽しく描いて、絵を描く本能を目覚めさせる「快画塾」
広島T-SITEにて3月31日(土)開催!

2015年に編集協力した単行本「一目置かれる大和言葉の言いまわし」が文庫化

THEプロフェッショナル広島

取材、ライティング、編集のお問い合わせは・・・
神垣あゆみ企画室

記事全文を読む
今週は、漢字と平仮名の使い分けについてです。
◆─────────────────────────────────◆
仕 事 の メ ー ル 作 法                            < 漢字か平仮名か(3)
◆─────────────────────────────────◆
                                                                                            漢字書きしやすい動詞

習慣でつい使ってしまったり、文字の入力変換をそのまま流用し、漢字書
きしてしまう言葉があります。多く見られるのが動詞です。例えば…

~(して)頂く、下さい、出来る

「いただく」や「ください」は、動詞を補う形で使う場合は平仮名書きと
し、そのものが意味を持って使われる場合は漢字書きになります。

▼「いただく」の場合
「お持ちいただく」「お誘いいただきまして」のように補助動詞として
使う場合は平仮名。
▼「頂く」の場合
「賞状を頂く」のように、ものをもらう、頂戴する意味で使う場合は
「頂く」と漢字書きになります。
「山の頂を目指す」と頂上や頂点を指すときも同様です。

▼「ください」の場合
「ご確認ください」「お申し込みください」のように補助動詞として
使う場合は平仮名。
▼「下さい」の場合
「お時間を下さい」「休暇を下さい」のように、得る、もらうを意味
する場合は漢字書きです。

「できる」は、
「建物ができる」「できる限り」「話ができる」「判断できる」など、
動詞や副詞として使うときは平仮名書き。

「出来事」「出来高」「出来不出来」のように状態を表す場合は、漢字
で「出来」と書きます。

上記の言葉は混同して表記されていることが多いです。基準を知っておく
と使い分けしやすいと思います。

ビジネスメールを書くときに役立つ
最新の記事が無料で読めます。

平日日刊で無料配信。登録はこちらから
最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら
このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】

◆─────────────────────────────────◆
【しごび】 の お す す め
◆─────────────────────────────────◆

中国・大連でのビジネスや留学に関心のあるかた
ぜひ、ご一読を!

「なぜ、大連なのか?」
「大連の日本人って?」
「大連でビジネスを始めるなら…」
などなど、リアルな大連情報をキャッチできます。

——————————————————————
【大連翻訳ビジネス日記】 http://transword.blog85.fc2.com/
——————————————————————

写真も順次アップしていきます!

記事全文を読む

今週は、読んでスッキリしない表現についての考察です。
◆─────────────────────────────────◆
 仕 事 の メ ー ル 作 法             < まどろこしい表現
◆─────────────────────────────────◆
                          意味が重なる表現

読んでスッキリしない文章というのは、無駄な装飾や言い回しが多く、何
が言いたいのかがぼやけている場合にそう感じます。

例えば、同じ意味合いの言葉を重ねて表現している場合。

被害を被る
後で後悔する
広島に来広

※字を読むと意味の重なりがわかるのですが、
話し言葉ではつい使いがちです。

まず最初に
すべて一任する
すべて網羅されている

※「まず」は「最初」に、「すべて」は「一任」「網羅」に
意味が含まれます。

お中元(歳暮)の贈り物
思いがけないハプニング

※お中やお歳暮そのものが「贈り物」を、
「ハプニング」は「思いがけない」ことを表します。

私が今年初めのこのメルマガでしでかした失敗は
「新年明けましておめでとうございます」です。

読者からの指摘で気がついたのですが、「明ける」とは「旧年から新年に
なる」という意のため、「明けましておめでとうございます」に「新年」
は重ねて使わないのが一般的(諸説あるようですが)。

このように意味が重なったまま、うっかり使っている表現は意外とありま
す。自分では気づかないことも多いです。読み返して「ん? 何か変だ」
と感じたら、すぐに辞書や用語集で調べてみましょう。

 
ビジネスメールを書くときに役立つ最新の記事が無料で読めます。

メルマガ詳細

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら
このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】

カミガキのフェイスブック

カミガキのツイッター

「仕事のメールの基本を知りたい、でも、誰も教えてくれない。今さら聞けない」という人のためのメールマガジン。
毎週金曜日 配信!
【仕事のメール心得帖】有料版
 登録はこちらから

記事全文を読む