今週のテーマは、自己中心的な「迷惑メール」です。

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仕 事 の メ ー ル 作 法         < 迷惑なメール
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今週は、相手に負担をかけないメールについてです。

▼求めるばかりでは迷惑がられる
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求めるばかりのメール。

質問のメールによく見られる傾向ですが、聞くだけ聞いて、自分が納得す
れば、ハイさようなら。親身になってその都度答えてきた者にとって、こ
れほど虚しいことはありません。

聞くのはタダですし、よく知っている人に聞いたほうが早いのも確か。
その場合、いつでも気軽に尋ねることができる環境(人間関係)を日ごろ
から整えておくことがポイント、ということは以前にもお話ししました。

聞く、尋ねる、教えてもらうという行為は、一時的とは言え、相手の時間
を拘束することです。自分が知らないことほど、答える相手に多くの時間
と労力を強いていることを忘れずにいましょう。

▼ 気にかけること。気にかけ続けること
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
教えや回答を得たら、「ありがとうございます」だけで終わらせず、何ら
かの形で相手に返す気持ちを持ちたいもの。「借り」は「返し」て完結で
す。

結果を報告するのも一つ、逆に自分が聞かれたときには快く応じるのも一
つでしょう。すぐには返せなくても、相手の関心事に注意を払い、参考に
なりそうな情報を提供するのも一つ。メルマガの発行人であれば、感想を
送るのも一つです。

迷惑か迷惑でないかの分かれ道は、求めるばかりでなく返す気持ちの有無。
相手に頼る一方の関係は長続きしません。

モノやお金でなくても、気にかけることが恩返しの一歩。そして、気にか
け続けること。常に相手に心を寄せていれば、毎日電話やメールをしてい
なくても、ここ一番のとき、相手から求められた時も的確な意見を返せる
ものです。

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読者からも「気になる言葉」が続々と…。 ◆────────────────────────────◆
仕 事 の メ ー ル 作 法     < 読者からのおたより
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                  「気になる言葉」番外編

日ごろ「気になる言葉」を教えてください、と呼びかけたところ、早速、読者
のかたからおたよりをいただきました。書き言葉よりも話し言葉についてが多
かったのですが、共感するものばかりでした。ご紹介します。

■「~じゃないですか」
自分の言い方を納得させようと聞こえるんですね。かなりの抵抗感があります。
無礼に念押し、押しつけがましい。           (読者 E.Sさん)

→よく耳にしますね。知っていて当然、という前提のもとに会話が進んでいく
ようで、暗に同意を促す押しつけがましさを感じます。「私ってまじめじゃ
ないですか」と言うその相手、どう見ても不まじめってことはよくある話。

強引な表現としては「~させていただきます」もあります。丁寧なようで強
引。私もつい使ってしまう言葉なので、気をつけなくては。

■「~なんですよ、はい」
最後の「はい」。たとえば「この辺りに置いてあるのは、新作なんですよ、はい」。
言ってしまう気持ちもわかりますが、気持ち悪いです。  (読者 Y.Tさん)

→「はい」以上に気になるのが最後の「うん」。「~なんですよね、うん」
「もうご覧いただきましたか、うん」。こちらが同意する前に発せられる
「うん」が耳障りです。話し言葉だけではなく、ブログやメルマガでもたま
に目にします。相手に聞いたり同意を得る前に、自己完結してしまったので
は、対話は成り立ちません。

■「申し訳ありません」
「申し分けありません」と使う人もいますが、「訳」が正しいですよね。
(読者 T.Aさん)

→「申し訳ない」の「訳」は理由を意味し、「言い訳のしようがない」詫びる
気持ちを表す言葉です。デジタル大辞泉によると「訳」は「分け」と同語源と
あり、それが混同の原因になっているのかもしれません。

そのほか、和語でも「ご」をつける例として挙げた「ご入り用」に対して、読
者のかたから次のようなご意見をいただきました。

「ご入用(ごにゅうよう)」から「ご入り用」と使用されるようになったので
はないでしょうか? (漢語の前に「ご」をつける)ルールは生きていると思
います。私は「お入り用」を使っています。       (読者 R.Sさん)

この場合も、言葉の本来の意味をたどると違いに納得できますね。

▼ 「くずす」前に基本を身につける
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
着くずすならぬ「言いくずす」現象が日常的な言葉づかいにも多く見られます。
基本を知り、基礎ができたうえで「くずす」のと、知らないまま「くずす」の
とでは大きな違い。

くずす加減、TPOに合わせた使い分けを意識しているつもりですが、つい安易
に使っている言葉も多いです。

洋服も着物も粋に着くずすには年季がいります。粋に言いくずせるようになる
には、もっと言葉の基礎を鍛錬する必要がありそうです。

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今週のテーマは「気になる言葉」です。
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仕 事の メ ー ル 作 法       < 気になる言葉(4)
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                メールで気になる言葉づかい

▼ 「ご返事」に反響あり
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気になる言葉についてのおさらいをしてみましょう。

1) メルマガ配信解除をあおるフレーズに見る余計なお世話
2) 報・連・相は主観をはずして事実や状況を伝える
3) 「お」と「ご」の使い分け。
訓読みの和語の前につくのが「お」、音読みの漢語の前につくのが「ご」。
お返事ではなく「ご返事」
4) 直截的な言い方をやわらげる枕詞的表現
「お手数をおかけしますが」
「お願いします」
「すみません」より「ありがとう」

特に、3)の お返事ではなく「ご返事」には反応が多かったです。
「日ごろから気になっていたので違いがわかりスッキリした」
「社内で徹底させた」という感想をいただきました。

▼ 気になる「お世話になります」「あげる」の使い方
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
そのほか、日常的に使っている言葉で気になるのが、「お世話になります」。

ビジネスメールの常套句ではありますが、初めてメールする相手に「お世話に
なります」はどうなのかな、といつも思います。継続したやりとり、取り引き
があってこそ「お世話になります」という言葉が生きると思うので、私は初め
てメールする相手には使いません。

個人的に気になって仕方ないのが「あげる」という表現。

書き言葉というより話し言葉ですが、服を買うとき「ここのボタンを一つはず
してあげるときれいですよ」と言われたり、美容院で「この部分は毎日、ブロ
ウしてあげてくださいね」と言われたり……。

自分の子どものことを言うのに「着せてあげたいので」「食べさせてあげたい
んです」と使うのにも、私は違和感があります。「着せる」「食べさせます」
でいいと思うのですが。

丁寧な表現、愛情を込めた表現として「あげる」が使われているようですが、
「やる」「する」で通用するような場面でも「あげる」が過剰に使われていて
違和感を覚えます。

<追記>
この記事で取り上げている「あげる」問題についての参考記事はこちら

最近気になる放送用語「~してあげる」? (NHK放送文化研究所)

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【本日の業務連絡】
毎度お騒がせ中の「自称の女」神垣ですが、今日はもう一つあります。
自称「披露宴でもディスクな女」。
詳細は昨日5/17配信の第233号・編集後記にて!  http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000138367
本文がとってもいいんです。クレームにお悩みのかた、必読!
http://www.mag2.com/m/0000138367.html

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 は じ め に
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 おはようございます。自称「うなる女」神垣です。

 昨日、読者から届いた一通のお手紙。

 びっくりしました。

 封書をあけると、巻紙に筆書きの手紙が出てきたのですから。

                今週のテーマは「気になる言葉」です。
 

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今週のテーマは「気になる言葉」です。
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仕 事 ‎の メ ー ル 作 法      < 気になる言葉(2)
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今週は、メールで気になる言葉づかいについてです。

▼ 「ご返事」と「お返事」
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最近、使い方に疑問を持ったのが「ご返事」と「お返事」です。

メールの返信に私はずっと「お返事」を使っていました。けれど、年長者
からのメールに「ご返事ありがとうございます」とあり、それが何人か続
いたので疑問に思い、調べてみたところ…。

謙譲語の「お」と「ご」の使い分けの基準として、訓読みの和語の前につ
くのが「お」、音読みの漢語の前につくのが「ご」。このルールにのっと
ると、「返事をする」の謙譲語は「ご返事いたします」となることを知り
ました。

私は「お返事」のほうが語呂がいいような気がしていたのですが、ビジネ
スメールでは「ご返事」とするほうが多いようです。

幼児に「お返事は?」と聞くのと同様、「お返事」にはニュアンスとして
普段使いの言葉の色合いが強いのかもしれませんね。

▼ 違いを知って使い分け
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
必ずしも、漢語には「ご」、和語には「お」というルールどおりではない
言葉もあります。漢語でも「お」をつける例としては、「お礼状」「お加
減」「お時間」。和語でも「ご」をつける例では、「ご入り用」「ごゆっ
くり」などです。

時代とともに言葉の使い方も変化していきます。「ご返事」という改まっ
た言い方も、次第に「お返事」というカジュアルな言い方に変わっていく
のかもしれません。ですが、違いを知り、その場に応じて使い分けること
は必要と感じています。

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仕 事 の メ ー ル 作 法         < 気になる言葉
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今週は、メールをする際に気になる言葉づかいについてです。

▼ 解除のあおり
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ビジネス系のメールマガジンで目にする「あおり口調」。

冒頭から「このメルマガから得るものがない、と思う人はすぐに購読解除
してください」という類の解除のあおりがあります。

意識の低い読者は要らないとばかりに、このひとことでふるいにかける演
出なのでしょうが、読んでみて興味がなければ、言われずとも解除するも
の。

少なし、発行人やタイトル、内容に関心を持ったから読もうとしているの
に、いきなり強い口調で読者に挑みかからなくても…と思ってしまうので
す。

▼ 気を利かせたつもりが…
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
通常のメールのやりとりで、私もついしてしまうのが、聞かれもしない内
容まで先回りして書いてしまうこと。

気を利かせたつもりが、読む側にとっては余計なおせっかいということも
あります。たとえば、「ブログって何?」と尋ねられた場合。

「ブログとは、ウェブログを略した言葉で、一般的に、継続して更新され
る日記形式のウェブサイトのこと…云々」と簡単にその意味を知らせれば
よいところを、必要以上に掘り下げて解説したり、批評を加えてみたり。

問われた内容以外をくどくど書き連ねるのは、相手にとっては負担過多。
却って善意の押し売りになってしまうこともあります。

▼ 情感は別のところに置いておく
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ビジネスメールを交わす際、なるべく主観をはずして客観的に、事実や状
況を伝えるようにしています。

自分の感想や感情を差しはさむと、相手に先入観を持たせたり、相手が聞
こうとしていることから焦点がずれてしまいがちだからです。

問い直される可能性がありそうなことは付加しても、報・連・相の際には
情感は別のところに置いておいたほうがよさそうです。

ビジネスメールを書くときのコツを7000人以上が愛読。
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