今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法         < 読者からの質問(2)
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                        「ご提出が遅くなり」

VOL.1755「ご連絡いたします」< 残念な敬語(2)>に対する質問です。

<読者からの質問>————————————————

「ご出荷が遅れる」は間違えていて、「ご連絡いたします」は正しい。
についてはおっしゃるとおりだと思います。

では、そのバリエーションはと考えると、
ちょっと分からなくなってしまいました。

「ご連絡が遅れる」は、状況によっては違和感があるように思えます。
例えば「ご連絡が遅くなり、申し訳ありません」は OK だと思います。

違和感が何なのかを考えると、「ご連絡が遅れる」といった、
メモ書きか、自分か身内用の記録のような文体なのに
「ご」が付いているからではないかと思えてきました。

ここであらためて「ご出荷が遅れる」を考えると、
「ご出荷が遅くなり、申し訳ありません」は、
ありなんじゃないかと思えました。

「出荷が遅れる」は尊敬を向ける相手がいない文章で
「ご出荷が遅くなり、申し訳ありません」では
尊敬を向ける相手がいる文章になっているのに起因しているのかな
と思います。

今回、神垣さまの書かれた
「受注者が発注者へ送付するという事実を伝える一文に過ぎません」
も、このことをおっしゃっているのだと思うのですが、
この解釈で妥当なものでしょうか?
(読者 M.Tさん)
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「ご出荷が遅くなり、申し訳ありません」
を敬語抜きの文に直すと

「出荷が遅くなり、ごめんなさい」
ということです。

「出荷が遅くなった」という事実を
「ごめんなさい」と詫びる意を伝えています。

これを丁寧にした一文が
「ご出荷が遅くなり、申し訳ありません」
です。

詫びる相手への敬意は「申し訳ありません」
で表されていると私は考えるので
「ご出荷が遅くなり」の「ご」は不要
ではないでしょうか。

「出荷」以外の言葉を当てはめてみましょう。

「ご提出が遅くなり、申し訳ありません」
「ご納品が遅くなり、申し訳ありません」
「ご送金が遅くなり、申し訳ありません」

これら「ご」が付く言葉
「提出」「納品」「送金」も「出荷」同様に

自分が主体となり、
相手に向けて行う作業なので
敬意を表す「ご」は必要ないと思うのです。

「出荷」同様に「提出」「納品」「送金」も
相手に向けた行為ですが
相手を立てる種類の行為ではないので
敬語の対象にはならないと考えます。

ですから

「出荷が遅くなり、申し訳ありません」
同様にほかの文も
「提出が遅くなり、申し訳ありません」
「納品が遅くなり、申し訳ありません」
「送金が遅くなり、申し訳ありません」

とするのが適切ではないかと考えるのですが
いかがでしょうか。

<追記>
自分が主体の行為でも
「連絡」は、
それ伝える相手、
行為が向かう先の相手を立てるため
「ご」を付けて
「ご連絡が遅くなり、申し訳ありません」
とする、と区別しています。

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