今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法             < 読者からの質問(4)
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                         謙譲の「ご」「お」

<読者からの質問>————————————————

ご返事いただけたら嬉しいです。と私は書くことがあるのですが、
ご返事、遅くなりすみません。とメールのはじめに書いて返事が来ます。
自分が書いているのに相手に出すから、敬ってご返事になるのですか?

それから質問をいくつかされて答える場合
質問に、お答えしなければ~と書くほうがいいのでしょうか?
質問に答えます、でいいのでしょうか?
(読者 Keikaさん)
——————————————————————

昨日の質問、VOL.1188 自分の行為に付ける「お」
と関連する質問です。

「ご返事いただけたらうれしいです」の一文では、
相手からの返事という行為を待つ状態に自分がいます。
つまり、返事をするのは相手。

ここでの「ご返事」の「ご」は
返事をする相手を高める尊敬の「ご」です。

一方、
「ご返事、遅くなりすみません」の一文は
自分から相手に返事という行為をする状態です。

ですから、返事という自分からの行為が向かう先の相手を高める
謙譲の「ご」を付けて「ご返事」としています。

質問に答える場合も同様で
相手の質問に対して答えるのは自分ですが
「答える」という行為が向かう先である相手を高めるために
謙譲の「お」を使い、「お答えします」です。

このように自分の行為に付く「ご」や「お」は謙譲語なので
間違いではありません。

整理すると…

・立てるべき人(相手)からの行為に付く「ご」「お」は尊敬語。

・立てるべき人(相手)への行為に付く「ご」「お」は謙譲語。

「ご」「お」にも尊敬語と謙譲語がある、ということです。

 
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今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします。
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   仕 事 の メ ー ル 作 法            < 読者からの質問(3)
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                      自分の行為に付ける「お」

<読者からの質問>————————————————

自分の行動に対して「お」などを付ける言葉をよく耳にするので
いつも疑問に思っているのですが、いかがなものでしょうか?

例えば
すぐに「お」持ちします。
ちょっと「お」尋ねしたいのですが。
私が「お」探しいたします。

などですが、私が思うには
すぐに、持参いたします。
ちょっと尋ねたいのですが。
私が探させていただきます。

では、いけないのでしょうか?
(読者 Yさん)
——————————————————————

自分の行為に付ける「お」「ご」などの尊敬語の解釈は
迷うところですね。

Yさんからの質問にある
「お持ちします」
「お尋ねしたい」
「お探しする」
は、確かに自分の行為ですが、

上記の「お」はいずれも
その行為が向かう相手を敬うために付けられたもの。

自分をへりくだることで相手を敬う謙譲の「お」です。
ですから、敬語として間違っているわけではありません。

立てるべき人“への”行為に付く「お」「ご」は謙譲語で
自分の行為をへりくだることで相手を高めているのです。
ですから、この場合の主語は自分になります。

上記の「お持ちします」「お尋ねしたい」「お探しする」はすべて
自分から相手に向かう行為なので、主語は自分になっていますよね。

「お持ちします」の言いかえとして「持参いたします」は妥当ですが
「尋ねたいのですが」よりは「お尋ねしたいのですが」
「探させていただきます」より「お探しいたします」
が適切です。

自分の行為に付く「お」「ご」については
下記のバンクナンバーでも触れていますので、参考になさってください。

「持参」については下記を参照

 
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重版の知らせが、私にとっては何よりのご褒美です。
1年、がんばって書いてきて良かった~。

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今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします。
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仕 事 の メ ー ル 作 法  < 読者からの質問(2)
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文字化けの確認

11月27日配信のVOL.1170の記事に対していただいたお便りです。



<読者からの質問>————————————————

11月27日(金)の配信内容が、私がご質問したいと
思っていたことと関連があり、ご連絡申し上げました。

私の上司の苗字に、まさに「山へんに立つと書く、サキ」
の字が入っております。

過去に、Windows同士でも文字化けを起こした経験があり、
(グループウェア使用のせいかもしれませんが理由は不明です)
社外の方にメール送信する場合には「崎」に変えています。

ところが先日、ついうっかり「山へんに立つと書く、サキ」
のままお送りしてしまったことがありました。

先方より「確かに受領しました」という返信をいただいた際に
私が送信したメールが履歴としてついており、
文字化けを起こしていたことに気がつきました。
(その文字だけでなく、後の文章まで影響しておりました)

先方より「内容不明」とのご指摘はありませんでしたが、
こちらからお送りしたものがきちんと届いていたかを
確認すべきか、さんざん迷ったのですが、
結局、今回は確認も再送信も行いませんでした。

やはり先方に確認するべきだったのでしょうか?
もちろん、相手によって対応が異なってくるとは思いますが、
ベターな方法につきアドバイスいただけましたら幸いです。
(読者 A.Mさん)
——————————————————————

相手のかたから「確かに受領しました」という返信があったのであれば
問題ないと受け止めてよいのではないでしょうか。

もし、文字化けして読めなければ
「確かに受領しました」ではなく
「文字化けして読めないのですが…」という内容のメールが
先方から送られてくると思うのです。

以前、文字化けして内容が読み取れないメールを受け取ったことがあり
そういう時はすぐに相手に連絡して
別の方法で確認する手段をとりました
(電話で確認したり、テキストで添付してもらったり…)。

重要な内容のメールであるほど
内容を知るための対処をします。

ですから、相手から別段、そういった連絡がなかったのであれば
問題なく読めた、あるいは内容が確認できている
と思ってよいのではないでしょうか
(文字化けにも程度があるので…)。

ただ、文字化けを起こしていたことがどうしても気になるのであれば
次の機会にメールを送信するときにでも
「先日お送りしたメールが文字化けを起こしていませんでしたか?」
といった内容の添え書きをひと言入れておいても
いいかもしれません。

 
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発送が年明けからになりますので、ご了承ください。

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今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします。
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仕 事 の メ ー ル 作 法               < 読者からの質問
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                    「いただき」か「くださり」か

11月26日配信のVOL.1169
に連動していただいた質問です。

<読者からの質問>————————————————

本日の敬語の使い方の解説は、私が以前から気になっていたことでした。
やっと納得できたことが嬉しく、メールさせていただきます。

電車のアナウンスで
「本日はご乗車いただきましてありがとうございます。」
いつも、これに引っかかりを覚えていました。

「ご乗車くださいまして・・・」ではないのか??と
周りの人に聞いても「どこがおかしいの?」と逆に問い返されます。
でも 気になり始めると、周りには
「・・・・いただきありがとうございます」が氾濫していて
混乱していました。

ひとつ質問です。
「お越し頂きありがとうございます」は
「お越しくださりありがとうございます」でいいのでしょうか?
それともこれも2重敬語になるのでしょうか?
(読者 T.Oさん)
——————————————————————

「お越しいただき」か「お越しくださり」のどちらが適切か
というご質問ですが、結論から言いますと
どちらを使っても問題ありません。

「お越しいただき」は、自分を低めて相手を敬う謙譲語
「お越しくださり」は、相手の行為を敬う尊敬語

という違いはありますが、最終的に「お越しになる(来る)」
相手を敬う表現であることに変わりはありません。

ですが、厳密に使い分けたいというのであれば
・相手にお願いして来てもらう場合は「お越しいただき」
・相手の意思で来てくれる場合は「お越しくださり」
と使い分けることができます。

たとえば、相手に案内状を出したりして招待している場合は
「○○へお越しいただき、ありがとうございます」

相手が自ら立ち寄ってくれたような場合は
本日はわざわざお越しくださり、ありがとうございます
ということになるでしょう。

ただ、これはあくまで目安なので
基本的にはどちらを使っても相手に失礼にはなりません。

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今週は、混同しやすい敬語表現についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法  < 敬語の間違い(5)
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敬語の多用

こんがらかった糸のようになってしまった敬語の使い方が下記の例です。

上記の説明で分かられたと存じますが
⇒ 上記の説明でお分かりになったと存じますが

相手が理解したと思う、という意を敬語で表現した一文です。
「存じます」は「思う」の謙譲語だということはわかると思います。

問題はその前の「分かられた」。
確かに「~される」は尊敬語ですが、「分かられる」という言葉は変です。

「分かる」の尊敬語は「お~になるを使って「お分かりになる」
とするのが適切です。

同様の間違いが下記の語にもみられるので注意しましょう。

「くれた」の尊敬語 ⇒ × くれられた  ○ くださった
「いた」の尊敬語  ⇒ × いられた   ○ いらっしゃった
○ おいでになった

もう一点、よく判断に迷うのが「ご」「お」の使い方です。

ご安心してお任せください ⇒ 安心してお任せください

「ご安心」「お任せ」ともに敬語を使わなくても
尊敬語は「お~ください」だけでよく、
その前の「安心」に「ご」は不要です。

下記の文例も同様です。

ご丁寧なご回答をいただき ⇒ 丁寧なご回答をいただき
ご親切にご対応くださり ⇒  親切にご対応くださり

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今週は、混同しやすい敬語表現についてです。
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仕 事 ‎の メ ー ル 作 法          < 敬語の間違い(4)
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                           特定の謙譲語

「拝見」「拝受」など、言葉そのものが謙譲の意を表すものが
幾つかありますが、それを尊敬語として使っている間違いもあります。
例えば…

資料を拝見なさった後、ご意見をお願いします。
⇒ 資料をご覧になった後、ご意見をお願いします。
資料をお読みになった後、ご意見をお願いします。

「拝見する」は「見る」の謙譲語なので、相手の動作に使うのは不適切。
この場合、資料を「見る」相手に敬意を表す尊敬語「ご覧になる」、または
「読む」の尊敬語「お読みになる」が適切です。

どなたにご恵贈なさいますか ⇒ どなたにお贈りいたしますか

「恵贈(けいぞう)」は人から物を贈られることを、
贈り主を敬っていう謙譲語。
「ご恵贈にあずかり、ありがとうございます」のように使います。

ですので、相手にものを贈るときに「恵贈」を使うのは間違っています。
この場合は、尊敬の「お~いたす」を使い「お贈りいたしますか」とします。

先日、ご恵存いただいた著書をご拝読いたしました。
⇒ 先日、ご恵贈にあずかりましたご著書を拝読しました。

「恵存(けいそん・けいぞん)」とは、自分の著書などを贈るときに
相手の名の脇や下に書き添える語で
「お手元に保存してくだされば幸いです」という意を表します。

相手の行為を敬う言葉であって、
人から贈ってもらった場合は「恵贈」が適切です。

もう一点
「著書をご拝読いたしました」というのも間違い。
「拝見」「拝読」「拝聴」などの言葉に謙譲の意が含まれてるので
謙譲の「ご(御)~いたす」は不要です。

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