今週は、「~させていただく」についてです。
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 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法               < 気になる敬語
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                    氾濫する「~させていただく」

読者のかたから、次の質問をいただきました。

<読者からの質問>————————————————

よく芸能人がテレビで「誰々とご一緒させていただいた」や
「……(仕事の内容。例えば映画など)にださせていただいた/
…をやらせていただいた」などど言っていますが、
この「~させていただく」は正しい使い方なのでしょうか?

出演するという行為や共演するという行為は相手に許可を得てする
行為ではないように思うので、なんとなく違和感を感じてしまう
のですが。
(読者 J.Y様)
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「~させていただく」については、
当メールマガジンでも再三取り上げてきましたが、

J.Yさんの質問にある通り、
「相手に許可を得てする行為ではない」ことに使用されているケースが
とても多く、サンプル収集に事欠きません。

この「~させていただく」の氾濫は、ご指摘の通り
テレビやラジオで芸能人が頻繁に使っていることが
大きく影響していると思います。

「~させていただく」は謙虚さを伝える表現として多用されていますが、
「ご一緒させていただく(=共演する)」
「出させていただく(=出演する)」
「やらせていただく(=演じる)」
はいずれも依頼があってしたこと。

「共演していいですか?」「出演していいですか?」「演じていいですか?」
と許可を得てしたことではないはずです。

ですので、「~させていただく」を使わず
下記のように表現して差し支えありません。

「○○さんとご一緒させていただいた」
→「~とご一緒しました(または、いたしました)」

「映画に出させていただいた」→「映画に出演しました」

「○○役をやらせていただいた」
→「○○役を演じました(または、役をいたしました)」

「~する」の謙譲語は「~いたす」なので、「~させていただく」より
こちらの方が謙譲語として妥当な表現です。

「~させていただく」=謙虚な自分をアピールする表現
という使い方をされている傾向があり、
テレビやラジオで当たり前のように使われているのを耳にするたび、
違和感を覚えてきました。

これまで「気になる敬語」として、
繰り返し取り上げてきた「~させていただく」について、
今週は例を挙げながら特集しますので、どうぞお付き合いください。

 
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