今週は、読んでスッキリしない表現についての考察です。
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仕 事 の メ ー ル 作 法            < まどろこしい表現(4)
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「など」に逃げない

多くの事柄から、事例として主なものを取りあげて示す時に使う言葉
「など」。例えば…

「箇条書き、表、グラフ、図解などでわかりやすく説明しています」

「など」には、ほかにも似たようなものがあったり、事例を挙げるまでも
ないこまごましたことをひとまとめにして「など」で表すことが多いです。

「参考書などの持ち込みはご遠慮ください」
という一文の場合、書き手が想定する「参考書以外でそれと類似するもの」
と読み手が想像するそれとが一致するとは限りません。

書き手は「参考書のほかに、辞書、問題集」と想定していても、読み手は
「参考書ではないから問題集はOK」と思ってしまうかもしれません。
このように「など」の前で例示する言葉が少ないと誤解を招くおそれがあ
ります。

「参考書、辞書、問題集の持込はご遠慮ください」
と「など」でひとまとめにせず、対象となるものを列挙するほうが具体的
です。

▼ 「など」を使うときの基準
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

便利な言葉ゆえ、つい使ってしまう「など」ですが、なんでもかんでも
「など」でかたづけず、基準を持って使うと文章がはっきりします。
上記以外にも…

「赤、青、緑などで構成」
と書くと色の数を漠然としか捉えることができませんが
「赤、青、緑など全5色で構成」
と全体の総数を明記すると「など」を指し示す内容が限定されてきます。

「Google、Yahoo! などの検索サイト」
ここでの「など」は「Google、Yahoo! 以外の検索サイト」と察しがつき
ます。このように「など」が示す内容が推測できるような例の挙げ方も
ポイントです。

「など」以外に気になるのが「とか」。

「藤田宜永の文章とか好きです」という表現を目にしますが
「藤田宜永の文章が好きです」と言い切ったほうがスッキリします。

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