【仕事のメール心得帖】今週は、カタカナ言葉についての考察です。
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仕 事 の メ ー ル 作 法   < カタカナ言葉
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カタカナ言葉も使いよう

少し前の話ですが、福田康夫首相が就任後初の所信表明演説を行った際、
使われたカタカナ語は26語だったそうです。

109のカタカナ語を所信表明演説で用いた安倍前首相に比べると、その数、
約四分の一。

前首相が使った「戦後レジーム」とか「カントリー・アイデンティティー」
というカタカナ言葉は、聞こえはかっこいいのですが、何のことか最後ま
で意味がよくわかりませんでした。

現首相の演説は手堅い、そつない、面白みがないという評価もあったよう
ですが、意味不明なカタカナ言葉を減らし、わかりやすい言葉に言い換え
た点に私は興味を持ちました。

メールも文章も、社内やその業界で共通認識され、当然のように日々のや
りとりに登場するカタカナ言葉があります。しかし、社外や特定の業界外
の人に向けてメールや文章を書くとき、そのカタカナ言葉が通じない場合
もあります。

メールを書くとき、特に社外宛のメールの場合は、カタカナの専門用語や
外来語を日本語に書き換えた方が理解してもらいやすいことがあります。

▼ 多用は禁物
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
カタカナ言葉ではありませんが、先日、新聞広告の原稿を書いた際、文中
に使った「IT」という言葉が、新聞社からの校正では「IT(情報技術)」
と修正が入って返ってきました。

誰もが知っていると思われる言葉でも、新聞の場合はこのようにカッコ書
きで短い説明を入れたり、書き換えて誰が読んでも分かる表現にすること
が徹底されています。

カタカナ言葉も使いよう。効果的に取り入れれば、印象的な文章になりま
すが、多用するとなにがなんだか……ということにもなりかねません。

今週はわかりやすい文章を書く上で知っておきたい、カタカナ言葉の書き
換えについて考えていきたいと思います。

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今週は、感じのよいひと言をご紹介します。
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仕 事 の メ ー ル 作 法      < ちょっとした言い回し(4)
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                     「無理です」に代わる言葉

事情や理由があって対応できない、そんなとき、あなたはメールでどのよ
うに伝えますか?

会話でもメールでも、最近、増えていると感じるのが「無理です」。
特に「とても自分には対応できない!」という感情が強く働くとき
「無理です」を使うケースが増えているように思います。

気持ちとしては言葉どおりなのでしょうが、その言葉を受け取る側はとり
つくしまがありません。否定というよりも拒絶を感じてしまうからです。

断りや否定の意を表すメールでは、自分の気持ちを強く打ち出すより、
相手がどのように受けとめるか思いをめぐらしてみます。

「無理です」「できません」より
「難しいです」「対応しかねます」
と書くときつさが取れます。

▼ 否定を肯定に
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「あいにく」「恐縮ですが」「申し訳ございませんが」という言葉を枕詞
として添えると、さらに表現が和らぎます。

あいにくすでに予定があり、今回は参加が難しい状況です。
来月の定例会へは参加いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします

申し訳ございませんが、担当者が出張中のため対応いたしかねます。
○日には戻りますので、こちらから改めてご連絡いたします。

といった具合に、次につながるフォローや提案ができれば、否定の内容も
肯定に切り替えることができます。

否定や断りを伝えるメールのほうが書きにくいものです。語調もきつくな
りがちなので、相手にネガティブな感情を残さない表現を工夫したいです
ね。

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今週は、感じのよいひと言をご紹介します。
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仕 事 の メ ー ル 作 法   < ちょっとした言い回し(3)
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「このたびは」

このたびはお声かけいただき、ありがとうございます。

初めてメールでやり取りする相手に返信するとき、よく使うフレーズです。

相手から「はじめまして」と始まるメールを受け取り、返信する際「お
世話になります」と書くのは抵抗があります。仕事の打診や依頼の場合、
お世話になるのはこれからであって、これから関わろうとする相手にあり
きたりなフレーズで返したくないと思うからです。

そんなときに「このたびはお声かけいただき、ありがとうございます」を
使うようにしています。

▼ ひと言に気持ちを添える
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ネットオークションで落札後、初めて出品者に連絡を取る際、よく使うの
が「このたびはお世話になります」。

いきなり初対面の相手に「お世話になります」と書くのに抵抗があったの
で「このたびは」を添えるようにしています。これも、仕事のメールで初
めてやり取りする際に活用できるフレーズです。

テレビ業界では何時だろうと挨拶は「おはようございます」と聞いたこと
がありますが、メールでも「お世話になります」はメールの出だしの決ま
り文句として定着した感があります。

無難にそれで済ますのもひとつですが、初めての相手だからこそ、これか
ら始まるお付き合いを意識した言葉を伝えたいと工夫をしています。

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今週は、感じのよいひと言をご紹介します。
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メ ー ル 作 法              < ちょっとした言い回し(2)
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                        ひと呼吸置いた表現

毎度、勝手を申しますが、下記アドレスないしは携帯まで、
お返事をいただけると助かります。

上記は至急、連絡を要する相手からのメールの一文です。
急いでいるほど「至急、連絡ください!」と書きたいところですが、ひと
呼吸置いたこうした書き方の方が、却って「すぐ連絡しなければ」という
気持ちになるから不思議です。

この一文のポイントは「毎度、勝手を申しますが」と「お返事をいただけ
ると助かります」という表現です。

冒頭で「毎度、勝手を申しますが」とひと言添えることで、文章全体が和
らぎます(場合によっては「毎度」を省いてもいいかもしれません)。

相手にお願いしたり、手を煩わせるようなメールを送るとき、こうした前
置きになる言葉を添えると文章全体が丸みを帯びます。
「お手数ですが」
「おそれいりますが」
「恐縮ですが」
などがそれに当たります。

▼ 気持ちを添える
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
もう一つのポイントが「お返事をいただけると助かります」。

相手の行動を促す表現でも、「お返事ください」より「~いただけると助
かります」の方が感じがいいのは、表現が命令調でないからです。

同様に
「~していただけるとうれしいです」
「~していただけるとありがたいです」
という表現も私はよく使います。

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今週は、感じのよいひと言をご紹介します。
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メ ー ル 作 法               < ちょっとした言い回し
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添付が消えています

毎日メールのやり取りをしていると、ちょっとした言い回しでその人への
好感度がぐんとあがることがあります。

メールの文章を読みなれてくると、その人の癖とか志向が分かるもので、
短くても配慮のある書き方ができる人のメールは心に残り、仕事をしてい
ても気持ちいいです。

今週は心に残ったちょっとした言い回しについて取りあげていきたいと思
います。

添付が消えているようですので、
お手数ですが再度送っていただけますでしょうか。

添付してメール送信したつもりが、添付し忘れていた際、相手から送られ
てきたメールです。

明らかに送信する側の私のうっかりミスなのですが「添付し忘れています」
より「消えているようです」という書き方はやさしさがあるな、と感じま
した。相手を責める表現ではないからでしょう。

▼ 表現にワンクッション
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
メールの場合は書く側にそういう気持ちがなくても、読む側には冷たくぶっ
きらぼうに感じられることがあります。

例えば、口で「~してください」「~できません」と言われるのと、その
一文をメールで読むのとでは受けとめ方が異なります。

メールの場合はきつく感じられるので「~していただけませんか」「~で
きかねます」とする方が表現が和らぎます。

間違いの指摘も、相手を責める表現ではなく「添付が消えている」という
事実を知らせる書き方にすると感じがよく、指摘された側もすんなり応じ
られるように思います。

<続・「添付が消えています」>

上記の
「添付が消えているようですので、
お手数ですが再度送っていただけますでしょうか」
の一文に対して、読者のかたから次のコメントをいただきました。

添付書類行方不明、私なら
「お送り頂いた文書の添付書面が見当たりません。
恐縮ですが、再度お送り頂けませんか」
とします。

男性読者からのご意見ですが、日本語として美しい一文と思い、
改めてここでご紹介します。

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今週は、説得力のある文章について考察します。
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 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法   < 説得力のある文章(5)
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                           読みやすさ

 説得力のある文章を書くには、表現、文章の構成、書き方も大事ですが、
 見た目の読みやすさにも気を配りたいもの。読む側が把握しやすい書き方、
 書面を工夫することも大切です。

 改行なしでびっしり書かれたメール、逆に一行ずつあけて書かれたメール、
 いずれも読みづらいです。

 文章の区切りごとに改行し、二~三行ごと、あるいは文章のまとまりごと
 に一行あけて次の文章が書かれていると読みやすくなります。

 長文のメールになる場合は、見出しをつけたり、最初に要点を箇条書きに
 して、詳細を後述すると混乱がなく、読む側も疲れません。

 込み入った内容はワードなどのファイルを添付し、概要や留意点だけメー
 ルで伝えるという方法も分かりやすいです。

 ▼ 適切な文字量とは?
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 メールの場合は、スクロールせずに読みきれる文字量が一つの目安と考え
 ます。

 文字量にしても内容にしても、最初からきっちり文章をまとめようと思わ
 ず、まずは伝えたいことの優先順位を決め、ざっと文章にしてみます。

 次に、読み返して無駄な部分を削って文章を整える習慣をつけると、次第
 に適切な文字量でまとめられるようになります。

 メールを書くたびに上記のことを意識するだけでも文章は上達していきま
 す。日々の積み重ねはあなどれません。

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