今週は、読者のかたからいただいた質問に回答します。
◆─────────────────────────────────◆
 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法  < 読者からの質問
◆─────────────────────────────────◆
                          カッコと句読点

 VOL.1969< 句点と読点(4)>
 についての質問です。

 <読者からの質問> ———————————————-

  先日配信されたVOL.1969を読んでいて長年の疑問を思い出しました。
  句読点とカッコの使い方です。

  だいぶ前、翻訳の勉強をしていたときに
  『翻訳者のための日本語の書き方』のような本で、
  以下のような記述があったと記憶しています。

  ・鈎括弧(かぎかっこ)は広義の句読点に含まれるため、
   それらを続けて書くのは間違いである。

  例えば、
  × すると、「海が見えるよ。こっちへおいでよ。」という声が聞こえた。
  ○ すると「海が見えるよ。こっちへおいでよ」という声が聞こえた。

  今少しネットで調べてみると、
   × 「海が見えるよ。こっちへおいでよ。」
   ○ 「海が見えるよ。こっちへおいでよ」
  と、閉じるカッコの直前の句点は書かない、が標準的のようですが、
  カッコの直前の読点は書かない、というルールはなさそうです。

  私の記憶が間違っていたのかな? とも思いますが、いかがでしょう?

  また、改行のときの読点は打たないものなのでしょうか?

  句読点とカッコ、改行が重なったときの使い方について
  ご教授いただければ幸いです。
                          (読者 M.Sさん)
 ——————————————————————

 上記の質問は、メルマガに書いた

 ———————————
 読点を入れるポイントは、次の3つ。

 1)主語の後
 2)接続詞の後
 3)並列する語の間
 ———————————

 に対してのものです。

 翻訳文と仕事に使う文書やメール文では
 内容や表現・表記の仕方が違ってきますので

 翻訳文であれば、翻訳文のルールに従うのが
 適切と考えます。

 ビジネスメールでは、
 そのメール文に使う句読点と使い方が統一されていればよい
 というのが私の考えです。

 ビジネスメールで
 質問者が例に挙げてくださっているような
 「カッコの直前の読点」
 のような表記を使う機会はそう多くないと思うのですが

 それが間違いかどうかというより
 そうした表記を使うメール文や文書で
 「統一」がされていれば問題なしと
 捉えています。

 例えば、次のようなメール文の場合
 ——————————————
 したがって、「部長の指示を仰ぐべきです」と
 山田さんには伝えました。
 ——————————————

 ・接続詞「したがって」の後、カッコの前に読点を使用
 ・カッコで閉じる前の文「・・・べきです」に句点は使わない
 ・1行目の改行の際、読点は使わない

 という3点が、メール文全体で
 統一されていれば良い、という考え方です。

 ——————————————
 したがって「部長の指示を仰ぐべきです」と、
 山田さんには伝えました。
 ——————————————

 上記のように
 ・接続詞の後、カッコの前に読点は使わない
 ・文の改行の際は読点を使う
 で統一するのであれば
 それを全文に適用する方がよいでしょう。

 表記の基準は、細かく見ていけば
 いろいろあります。

 メールで伝達する際
 用件が正しく相手に伝わることが
 最も重要ですから、大きく意味を取り違えるような
 句読点やカッコの使い方がされていなければ
 それでよしとしています。私の場合。

 改行のときの読点に関して言えば
 メール文の場合は、意味のまとまりごとに改行を入れることが多いので
 文書の場合は「読点」を入れることがあっても
 メールでは省く傾向が強いです。

 表記としては、読点を入れる方が正しいのでしょうが、
 私は入れずに改行してしまうことが多いです。