今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします。
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 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法       < 読者からの質問(2)>
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                           メールの文章

 翻訳の仕事をする男性読者から、次のようなメールをいただきました。
  
 <読者からの質問>————————————————

  下のようなメールを翻訳のお客様に出したところ、社内の人から「言葉
  遣いが偉そうだ」という意見をもらいました。確かに、私はときどき、
  書くものがそっけなさ過ぎるという批評を受けます。

  こういう指摘は大事だと思い、きちんと反省しようと思います。
  どう思われますか。遠慮のないところでご指摘ください。お願いします。
  <よろしくお願いします>や<申し訳ありませんが>などの挿入が足り
  ないでしょうか……
 
  ————————————————- 読者・K.Iさん

 少し長くなりますが、読者・K.Iさんが送ってくださったメールの内容を
 ご紹介します。

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 ○○様<翻訳の顧客企業>

 p. 7
 <英語1 (省略)>
 を
 <英語2  (省略)>
 に変えてください。

 「当社の作業は、すべて(どの段階でも)御社(お客さま)の事業コンセ
  プトが導きます」。

 和文テキストでは「当社がまずコンセプトを固め」とありますが、これを
 短い英語にすると「当社が客先とは別に勝手にコンセプトを作る」ような
 響きになります。それで、「御社の認めた、御社の主張するコンセプト」
 のような含意で、Yourとしました。Yourは汎称で、読者、お客様一般を意
 味します(特定のYouではありません)。

 「Design」は、「事業上のグランドデザイン」のような意図だったのです
 が、ご指摘のとおり、確かに「個別設計」のDesignと混同すると思います
 ので、Businessと直しました。

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 翻訳部分については、とても的確な内容で分かりやすく説明されていま
 す。K.Iさんが会社の方から「言葉遣いが偉そうだ」と指摘があったのは、
 冒頭の

  > <英語1 省略>
  > を
  > <英語2 省略>
  > に変えてください。

 の部分と思われます。

 直接、口で言う「~してください」とメールのそれとは、受け止め方が異
 なり、メールのほうがキツク感じられます。

 この場合
 「~に変えていただけますか」
 「~に変えると、真意が相手に伝わります。なぜなら…
  (以下、理由を述べる)」
 とすると、和らいだ表現になります。

 「~してください」という言葉をメールで使うと、ことのほか冷たく感じ
 られ、お客様に対して使うと、命令調にとられることもあるので要注意。

 ですから、私は一緒に仕事をする相手に指示を出すときは
 「~に変更をお願いします」
 「~していただけますか」
 と依頼形になるよう意識しています。