今週は、読んでスッキリしない表現についての考察です。
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仕 事 の メ ー ル 作 法      < まどろこしい表現(5)
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スッキリさせるコツ

一文が長いと、読んでいくうちにうんざりします。
同じ言葉が何度も出てきたり、意味の重複があったりすると「まどろこしい」
印象を与えます。例えば、次の一文をご覧ください。

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この度、弊社ホームページのプロバイダー変更に伴い、メールアドレス
の変更を行います。メールアドレスの変更に関しましては1月末日まで
は現メールアドレスも併用いたしますが、2月1日以降は新規アドレスの
方に完全に移行させて頂くため、皆様にはお手数をおかけいたしますが、
新しいメールアドレスの新規登録をお願い申しあげます。
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読点が続いて、句点がない典型的な例です。「変更」という言葉が繰り返され、
さらに「メールアドレスの変更」「新規アドレス」「新しいメールアドレス」
と表現が変わっているのも「まどろこしさ」の一因です。

▼ 文章をスッキリさせる三つのポイント
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
1)一文を短くすると、文章がスッキリします。

読点でつなげず、句点で切ることを心がけます。述べたいことを、最初に箇条
書きにするとよいでしょう。

上記の例文の場合は、次のようにまとめます。
・プロバイダー変更に伴い、メールアドレスを変更
・1月末日までは現メールアドレスも併用
・2月1日以降、新規アドレスに完全移行
・新アドレス登録のお願い

2)同じフレーズや意味が重なる言葉を多用しないのもポイントです。

伝えたい要素をひとまず文章として書き出したら、推敲して重複やくどい文章
はどんどん削っていきましょう。

3)接続詞の多用も読点だらけの文章と同様に長たらしく感じます。

文章をつなぐ接続詞も少なめにするほうがスッキリします。

以上のポイントを踏まえ、上記の例文を書き直してみましょう。

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この度、弊社ではプロバイダーの変更に伴い、メールアドレスが新しく
なります。
1月末日までは現メールアドレスを併用し、2月1日以降は新規アドレス
に完全移行いたします。
お手数をおかけしますが、1月中にご登録の変更をお願いいたします。
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今週は、読んでスッキリしない表現についての考察です。
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仕 事 の メ ー ル 作 法            < まどろこしい表現(4)
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「など」に逃げない

多くの事柄から、事例として主なものを取りあげて示す時に使う言葉
「など」。例えば…

「箇条書き、表、グラフ、図解などでわかりやすく説明しています」

「など」には、ほかにも似たようなものがあったり、事例を挙げるまでも
ないこまごましたことをひとまとめにして「など」で表すことが多いです。

「参考書などの持ち込みはご遠慮ください」
という一文の場合、書き手が想定する「参考書以外でそれと類似するもの」
と読み手が想像するそれとが一致するとは限りません。

書き手は「参考書のほかに、辞書、問題集」と想定していても、読み手は
「参考書ではないから問題集はOK」と思ってしまうかもしれません。
このように「など」の前で例示する言葉が少ないと誤解を招くおそれがあ
ります。

「参考書、辞書、問題集の持込はご遠慮ください」
と「など」でひとまとめにせず、対象となるものを列挙するほうが具体的
です。

▼ 「など」を使うときの基準
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

便利な言葉ゆえ、つい使ってしまう「など」ですが、なんでもかんでも
「など」でかたづけず、基準を持って使うと文章がはっきりします。
上記以外にも…

「赤、青、緑などで構成」
と書くと色の数を漠然としか捉えることができませんが
「赤、青、緑など全5色で構成」
と全体の総数を明記すると「など」を指し示す内容が限定されてきます。

「Google、Yahoo! などの検索サイト」
ここでの「など」は「Google、Yahoo! 以外の検索サイト」と察しがつき
ます。このように「など」が示す内容が推測できるような例の挙げ方も
ポイントです。

「など」以外に気になるのが「とか」。

「藤田宜永の文章とか好きです」という表現を目にしますが
「藤田宜永の文章が好きです」と言い切ったほうがスッキリします。

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