今週は、感じのよいビジネスメールへの書き換え指南です。
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 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法     < 続・書き換える技術(2)
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                           くどいメール

 今週は事例を挙げながら、メールをわかりやすく、感じよく書き換える
 ポイントをご紹介しています。

 迷惑メールの一文です。
 ——————————————————————
 なおメールご不要の方は、下記にアクセスして下さい
 (メールアドレス)

 なお、このメールは営利を目的としたものではないので、違法性は
 ありません。

 (中略)

 なお、このメールは送信のみですので,返信は、ホームページ内の
 メールアドレスを,お願いいたします。

 ——————————————————————

 上記の文章が読みづらいのは、なぜか?
 もう、お分かりですね。

 「なお」が繰り返し登場しています。
 メール不要や返信の際の案内についても説明不足の感が否めません。
 最後の一文にいたっては読点が「、」になったり「,」になっていて
 統一性がありません(読点の打ち方もおかしいです)。

 実はこれ、告発系の迷惑メールなのですが、全文が感情的で思いに任せ
 て一気に書いた気配があります。

 もう少し冷静で客観的な文章に書き直してみましょう。
 ——————————————————————
 このメールは送信のみとなっております。
 返信または当メールがご不要の場合は、お手数ですが下記のアドレスあて
 にご連絡をお願いいたします。
 (返信用メールアドレス)

 なお、このメールは営利を目的としたものではなく、違法性はありません。

 ——————————————————————

 「なお」「ところで」などの接続詞は、多用すると文章がくどく
 読みづらくなります。同じ接続詞が続かないように気をつけましょう。

 たまにメールの文章で読点が「,」になっている文章を目にします。
 それで全文が統一されていれば問題はないのですが、日本語には「、」の
 ほうが読みやすくすっきりした印象になりますね。

 ちなみに、迷惑メールの多くは「受信拒否の場合はこちら」と所定の
 メールアドレスに送信を促していますが、これは無視するに限ります。
 返信してしまうと、そのアドレスが使用されていることを相手に表明した
 ことになるので、さらに多くの迷惑メールを受け取ることになりかねません。

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 【しごび】 か ら の お 知 ら せ
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 読者からのコメントです。
 ——————————————————————
 私の場合、配信いただいた内容からピックアップした
 選りすぐりファイルを勝手に作っていました。
 でも、とても勉強になっています。
                         (上海のY.Kさん)
 ——————————————————————

 配信した過去の【しごび】をファイルしてご覧いただいていたとのこと。
 とてもうれしいです。
 書籍はメルマガとは違ったタッチで書いてますので、
 こちらも参考にしてくださいね。

 青春新書インテリジェンス『 仕事で差がつく できるメール術 』
http://www.amazon.co.jp/dp/4413041674/ref=nosim/?tag=shigotobijinn-22

記事全文を読む

今週は、感じのよいビジネスメールへの書き換え指南です。
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 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法       < 続・書き換える技術
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                        押しの強いメール

 今週は事例を挙げながら、メールをわかりやすく、感じよく書き換える
 ポイントをご紹介していきます。

 次のようなメールを受け取りました。
 ——————————————————————

 今回は我々の活動が更に発展、進捗したためご協力できる範囲が広がり
 ましたのご連絡致しました。

 今回ご連絡させていただきましたのは、私達の活動、理念、
 社会に対する思いに賛同して、協力してくださる企業様、社長様
 を求めておりましてご連絡させていただきました。
 以下キーワードにピンと来られた方、
 ぜひ最後まで読んでいただければと思います。

 ——————————————————————

 上記の文章は、丁寧な言葉を使っているにもかかわらず、慇懃無礼な印象
 を受けるのはなぜでしょうか。原因としては次の三点が考えられます。

 ・「ご連絡致しました」「ご連絡させていただきました」が繰り返されて
   いる点

 ・送信を許可したわけでも依頼したわけでもないDMメールなのに
  「~させていただきました」という言い回しを多用している

 ・一方的に自分の状況を伝るばかりでえ、相手の反応や返答をうかがう
  様子が感じられない

 では、次のように書き換えるとどうでしょうか。
 ——————————————————————

 今回、私どもの活動理念や社会に対する思いをお伝えしたく
 突然ではございますが、ご案内のメールをお送りいたします。

 ○○○に対する取り組みも
 少しずつですが、ご協力・ご賛同いただける企業様が増え
 活動範囲も広がってまいりました。
 どのような活動を行っているかを下記にまとめましたので
 ご覧いただき、ご感想やご意見をいただければ幸甚です。

 ——————————————————————

 ・なぜ、メールを送るのかという理由を冒頭で知らしめる。

 ・自分たちの取り組みや状況を端的に知らせ、
  それに対する反応を欲している旨を伝える

 ・直截的な表現を避け、婉曲に興味を引き出す表現

 この3点に留意して書き直しました。
 強気な姿勢で一方的に送りつけるのではなく、一歩引いて相手の反応を伺
 う表現にすると、メールの印象もがらりと変わります。

記事全文を読む

今週は、読者のかたから寄せられた質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法        < 読者からの質問(5)
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おすすめの本

<読者からの質問>————————————————

文章能力をあげるには、小説がよい、とおっしゃっていましたが、
神垣さんが参考にする本、または内容が良質で好きだと思える本があれば
是非教えていただきたいのです。
(読者・R.Iさん)

——————————————————————

R.Iさんには、以前、文章能力を上げるための訓練として、新聞のコラムや
小説を読むことをアドバイスしました。

日経の「春秋」朝日の「天声人語」など、新聞の一面下にある短いコラ
ムは、文章の運び、文末の始末など、文章を書く上でのお手本になる内容
であること。
小説を読むことで読解力、表現力が養われる、そんなことをお伝えしました。

読む小説は、その人の好きなもので良いと思っています。
私の場合を申し上げますと、未だに繰り返し読むのは山本周五郎の短編です。

ちなみに、今読んでいるのは文庫の「扇野」という短編集。
帯には「厳しさと優しさのまなざし」とありますが、周五郎作品の魅力は
人の心の機微をうまく捉えて表現しているところです。

時代物の人情話が多いのですが、けなげに潔く生きる人の描写に思わず涙
がこぼれることも…。きちんとした日本語が読める点も好きです。

夏目漱石と芥川龍之介は二十歳前後のころ、好んで読んでいました。この
ような古典的な小説は、好き好きもあると思うので、自分の好きな作家の
作品を続けて読むとよいかもしれません。

趣味で読むのはもっぱら恋愛小説で、山田詠美、藤田宜永が好きです。
両者とも短編作品が秀逸です。

▼ 仕事に必要なのは想像力
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

読む能力が上がる、つまり、読書量が増えると自然と書く能力も上がって
きます。

私の周りには、30代、40代から読書を始めたという人も少なくありません
が、彼らの文章はとてもわかりやすく的確。それまで本を読むのも文章を
書くのも苦手だった、というのが信じられないほどです。

若いときから継続して読むこと、書くことを続けている人は、文章も安定
しています。

読書の利点は、想像力が鍛えられ、相手の気持ちを読み取ることができる
ようになることです。ノウハウ系の本より小説をお勧めするのは、そのた
めです。

読書で養った相手の気持ちを推し量る心、思いやる力は、仕事をするうえ
でもきっと役に立つと思っています。

扇野

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今週は、読者のかたから寄せられた質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法             < 読者からの質問(4)
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「またの再会」

<読者からの質問>————————————————

先日十数年ぶりに知人(一緒に仕事をした人)に会うことができました。

一緒に食事をして別れた翌日、お礼のメールの中で締めくくりの文章と
して「またの再会を楽しみにしています」と書いたのですが、送信した
あとこれって「新しい新年」と同じように同じ言葉を繰り返す重ね言葉
かなと感じました。

言葉としては、よく使うと思いますが、「またの」と「再会」が同じ意
味と考えると「またの再会を楽しみにしています」という使い方は間違っ
ているような気がします。
(本当に間違っているのかは分からないのですが...)

しゃべっているときは、なんとも思わない事が文字にすると「あれっ変
だな」と思うことがあります。

【しごび】さんは、こんな経験は無いですか...
(読者・亜麻乃 時夜句さん)

——————————————————————

「またの再会」。
重ね言葉(重言)に相当するかどうか、私が調べた限りでは分かりません
でした。ですが、意味を考えると「また」と「再」が重複しているように
思います。

この場合は「では、またお会いしましょう」「再会できることを楽しみに
しています」と書き換えられそうですね。

このように意味が重複する言葉でよく目にし、私自身も気をつけているのが
「~感を感じる(た)」という表現です。

「危機感を感じる」「違和感を感じた」と「感」を続けて書いてしまいが
ちですが、「危機感を抱く」「違和感を覚えた」と書くのが適切でしょう。

「かねてから」「従来から」「本来から」というのも重複した表現になり
ます。うっかり使ってしまいがちですが、「かねて」「従来」「本来」と
いう言葉の中にすでに「~から」という意味が含まれています。

「かねてお約束していた」「従来、当社では」「本来の言葉の意味は」と
「から」をつけずに使います。

そのほか、使ってしまいがちな重複する表現としては、次のようなものが
挙げられます。

あらかじめ予約しておく  ⇒ 予約しておく
まず最初に、一番最初に  ⇒ 最初に、最後に、まず初めに、一番先に
各位殿、各位様、~様各位 ⇒「各位」自体が敬意を表すので敬称は不要

必ず必要になる   ⇒ 必要になる
期待して待っている ⇒ 期待しています、心待ちにしています
新しく新調した   ⇒ 新しく購入した、新調しました

挙げればきりがありませんが、話し言葉では気づかなくても文字にすると
気がつくことが多いですね。

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今週は、読者のかたから寄せられた質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法             < 読者からの質問(3)
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                         「ご確認ください」

<読者からの質問>————————————————

仕事上、「ご確認ください」を使うことが多いのですが、
なんだか命令形ぽい感じがして
「ご確認していただけますでしょうか」もまどろっこしく
「ご確認くださいませ」というふうに「ませ」をつけることがあります。
なんだか女性的?な感じもして違和感を感じています。
これって、どうなんでしょうか?
(大阪の男性読者・N.Iさん)

——————————————————————

「ご確認ください」のように「~(して)ください」という表現は、
話言葉で使う場合は気にならないのですが、メールの場合だと命令調
に感じることがありますよね。

そこで私は

「ご確認をお願いします」 → 依頼形

「ご確認いただけますか」 → 疑問形

この2パターンを使うようにしています。

一緒に組んで仕事している相手にメールで指示を出すようなときは
「~ください」はなるべく使わず、例えば
「この部分の修正をお願いします」
「再度、お送りいただけますか」
と書くようにしています。

「~くださいませ」
は私も多用していたのですが、相手によっては好まない人もいるので
(男性が多いように思います)最近は使うのを控えてます。
これは多分に、読む側の好き嫌いの感覚の問題だと思います。

メールは読み手の精神状態によって良くも悪くも受け止められることが
あるので、なるべく感じのよい表現を選ぶようにしています。

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今週は、読者のかたから寄せられた質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法             < 読者からの質問(2)>
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数字の並置

<読者からの質問>————————————————

教えていただきたい事がございます。
例えば、「平成16年と平成17年」と年号等を繋げて表記(並置)する場合、
繋ぎに使う記号は何が正しいのでしょうか。

私は、上記のような数字の場合は「平成16,17年」とカンマを使っており
ましたが、カンマはおかしい、「、」ではないかという意見が社内で出ま
した。
(読者・F.Sさん)

——————————————————————

結論から言いますと、読点「、」でもカンマ「,」でもかまいません。
ただ、一般的には読点を使用する場合が多いようです。

私が調べた限りでは「朝日新聞の用語の手引き」によると…

コンマ(神垣注:同書では「コンマ」と統一表記)は横組みにした洋数字
の位取りに使用する。
横組みの文章の区切りは読点と句点を使い、コンマは使わない。

とあります。ここで言う「横組み」とは横書きのことです。
このような場合、私も基本的に「平成16、17年」と読点を使っています。

しかし、翻訳会社の知人に問い合わせたところ「平成16,17年」とカンマ
で区切るのも間違いではないとのことです。

横書きの場合、カンマで区切るほうが見た目に締まるというかシャキッと
した印象になるようです(特に数字の並置では)。

要は、その文章内で読点で表記するか、カンマで表記するかの統一がとれ
ていればよいのではないでしょうか。

ただ、思いますに「平成16、17年」と、初めに挙げた数字につく単位「年」
を省く書き方は見落としや誤解を招く危険もあります。
ですから、私は「平成16年、17年」と単位である「年」を入れて表記する
ようにしています。

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