今週は、読者の方からの質問にお答えします
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 仕 事 の メ ー ル 作 法 < 読者からの質問
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                          「背をそむける」
 VOL.2732 末文< 手紙とメールの違い(4)>
 のメルマガのあとがきへの質問です。
 <読者からの質問>————————————————
  本日のメルマガのあとがきに、気になる表現がありました。
  >息子は、そんな父親に
   すっかり背をそむけてしまい
  背をそむける → 背を背ける
  これは重ね言葉ではないのでしょうか?
  「背をむける」あるいは「そむける」が適切と考えますが、
  神垣さんの見解をお聞かせいただければ幸いです。
                           (読者 K.Kさん)
 ——————————————————————-
 「そむける」は
 視線や顔をそらす、後ろやわきの方へ向かせる、という動作のほかに、
 心を離す、という意味で使います。
 上記の文では、息子が父親から心を離す例えとして
 「背をそむけてしまい」という表現にしました。
 新聞表記では「背ける」と書き、
 「背中」の「背」の字を用いるため、
 「背を背ける」と書くと「背」の字が続き
 重ね言葉のように見えます。
 そのため、敢えて「そむける」をひらがな表記にしました。
 「背をそむける」という言葉自体は重言ではないと考えますが、
 K.Kさんのご指摘のように「背を向ける」
 とすれば、紛らわしくないですね。
 そのほかの重ね言葉については、
 下記のバックナンバーで取り上げています。
 ▼「まず報告することが先決」< 重ね言葉の言い換え >VOL.2609

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今週は、敬語のうっかりミスについて取りあげます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法 < 敬語の勘違い(5)
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「省かさせていただきます」

—————————-
敬称は省かさせていただきます。
—————————-

相手の許可・承認のもとに
自分が何かをすることを謙遜して伝えるとき
助動詞「させる」「せる」を用い
「~させていただく」「~せていただく」
とします。

どちらも
動詞の未然形に付きますが、
「~させていただく」は上一段、下一段、カ変動詞の未然形
「~せていただく」は五段、サ変変動詞の未然形
という区別があります。

上記の「省く」は五段活用の動詞なので
その未然形「省か」+「せていただく」で
「さ」は入りません。

正しい表記は次のようになります。

—————————-
敬称は省かせていただきます。
—————————-

同様に、その他の五段活用の動詞も下記のようになります。

「休む」→ ○ 休ませていただきます
× 休まさせていただきます

「書く」→ ○ 書かせていただきます
× 書かさせていただきます

「急ぐ」→ ○ 急がせていただきます
× 急がさせていただきます

五段活用動詞の未然形は、
動詞を「ない」の形にしたとき、
「ない」の前の語の母音が「あ」になるのが特徴。

一方、未然形の母音が「あ」以外の動詞は
「~させていただく」とし、
「さ」を入れます。

上一段活用「見る」 → 見させていただく

下一段活用「考える」→ 考えさせていただく

カ変動詞「来る」  → 来させていただく

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今週は、敬語のうっかりミスについて取りあげます。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法 < 敬語の勘違い(4)
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                          「時間のほう」
 ------------------------------------
 時間のほうはいかがいたしましょうか。
 ------------------------------------

 このように使われることの多い「~のほう」。

 本来は、2つ以上の選択肢がある中で、
 どれかを選ぶときに用いる言葉です。

  例)午前と午後なら、午後のほうが都合がよい。

 このように区別をするためではなく、
 断定を避け、曖昧にぼやかすために用いられていることがあります。

 しかし、下記の文のように
 「~のほう」がなくても文意は通じます。

 ------------------------------------
 時間はいかがいたしましょうか。
 ------------------------------------

 「~のほう」を付けると丁寧な言い回しになるわけではなく、
 むしろ、まわりくどい印象を与えることにもなります

 × 私のほうから説明させていただきます。
 ↓
 ○ 私説明させていただきます。 

 「電車とかでもよいと思います」の「とか」、
 「そのあたりはいかがですか」の「あたり」も同様で

 表現をぼやかしてしまうと
 真剣さや真意が伝わらず
 あいまいな文章になりがちです。

 きちんと意向を伝えるためにも
 余計な言葉を省いて

 「電車がよいと思います」、
 「○○についてはいかがですか」

 とすることをお薦めします。

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 用いるとよい言い回しについてとりあげています。

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今週は、敬語のうっかりミスについて取りあげます。
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 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法 < 敬語の勘違い(3)
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                      「からお預かりします」

 -------------------------
 1万円からお預かりします。
 --------------------------

 買い物をした店舗や食事をした飲食店で
 支払い金額が9千円で
 1万円を出したときに
 レジで言われるこのひと言。

 店側が客に伝えるのは
 「1万円をお預かりし、その中から代金の9千円をいただきます」
 ということですが、実際は

 「1万円から9千円をいただく」の「から」と
 「1万円をお預かり」の「お預かり」が略され、混同された結果

 「1万円からお預かり」
 という言い回しになっているようです。

 9千円の支払いに対し、
 1万円を受け取り、お釣りを渡す際は

 本来なら
 -----------------------
 1万円お預かりします。
 -----------------------
 と伝え、
 「お釣りは千円でございます」
 と続けるのが適切と考えます

 店舗によっては、支払金額ちょうどの9千円を渡したときでも
 「9千円からお預かりします」
 と言われることがあります。

 この場合、
 ちょうどの金額を受け取るのですから、預かるのではなく
 「9千いただきます」
 と対応するのが適切です。

 なんとなく丁寧そうな印象を与える言い回しでも
 「預かる」「受け取る」の違いは
 はっきり伝える方がよいのではないでしょうか。

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 【しごび】 の お す す め
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 「ぶんぶんウォーク 2016」で

 11月19日(土)、【しごび】読者のあさのみいさんが
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今週は、敬語のうっかりミスについて取りあげます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法                              < 敬語の勘違い(2)
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                                                             「お申込みをさせていただく」
—————————————-
○○会員にお申込みをさせていただきます。
—————————————-

「~させていただく」は
相手から許可を得ることを前提に
自分から何かをするときに用いる謙譲語です。

例)都合により、定例会を欠席させていただきます。

しかし、冒頭の例文のように、
「お(ご)」が付く「~させていただく」は、
意味が異なり
自分の行為が相手にも関わりを持つ場合に用います。

例)お電話させていただきます。
ご説明させていただくので、

「申し込む」は自分の意志ですることで、
相手の許可を得てすることではありません。

したがって、この場合は
———————————————-
○○会員に申し込みます
———————————————-
とすればよく、「お~させてただく」は不要です。

ほかにも選挙演説で
「○○の政策のお訴えをさせていただく次第です」
という言い回しも
「お~させていただく」を使う必要はなく
「○○の政策を訴える次第です」
で事足ります。

不必要に用いる敬語は
一文を回りくどくし、慇懃無礼な印象を与えるので
気をつけましょう。

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                       「いただいてください」

 ———————————————-
 つまらない物ですが、どうぞいただいてください。
 ———————————————-

 上記は
 客先やお世話になった相手に品物を贈るときの一文です。

 送る側は「大したものではないですが、受け取ってください」
 と謙遜して書いたつもりでも
 敬語の使い方を間違えて、おかしな文章になっています。

 「いただく」は「もらう」の謙譲語。
 自分が品物を受け取るとか、もらう場合に使う言葉です。

 上記の文では、物を受け取るのは相手なので
 尊敬語の「お(ご)~ください」を用い
 「お収めください」
 とするのが適切です。

 「つまらない物」も「心ばかりの品」に書き換えて……

 ———————————————-
 心ばかりの品ですが、どうぞお収めください。
 ———————————————-

 とします。

 「会社の皆さんで食べてください」とお菓子などを贈るときも
 「皆さんでいただいてください」
 では、相手に対して謙譲語を使うことになります。

 「食べる」のは相手(会社の皆さん)なので、
 尊敬語「召し上がる」を使い
 「会社の皆さんで召し上がってください」
 とします。

 間もなくお歳暮などの贈答品シーズンの到来。
 贈り物を受け取ったときに活用してください。

 今週はこのような謙譲語と尊敬語の混同など
 敬語の勘違いについて取り上げます。

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